子どもの健康に関するお悩みに、現役医学博士の小児科医ユンタ先生がお答えします。
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目をパチパチさせます
3歳3ヶ月の男の子
主人と私と息子の3人家族です。仕事をしているので、8ヶ月から保育園に通わせています。 最近、目をパチパチとまばたきするようになりました。今年初めにも同じような状態になり、 眼科に行こうかと思っていたら、園の担任の先生から精神的なチック症状では?と言われました。 1週間ほどで治りましたが、また今月、運動会の前から始りました。オムツも順調にとれましたが、 最近は悪ふざけが多いので、私が叱る回数も増えています。可愛そうなのですが、 しつけだと思うといけないことは注意しなければならず。どうしたら良いのでしょうか?
(りこ)
チックとは、急速でリズムのない運動や発声が、ある一定のパターンで繰り返されることです。 ご相談にある「まばたき」のほか、「首を左右に動かす」「突然の奇声」などがありますが、 大きくわけて「運動チック」と「音声チック」、さらにその中で「単純チック」と「複雑チック」の症状があります。
簡単に説明すると、以下のようになります。
「単純運動チック」・・・まばたきのような目の症状が多く、他には首を振ったり、肩をすくめたり
「複雑運動チック」・・・大きな体の動作が出たり、人やものに触ってしまったり
「単純音声チック」・・・せき払いなど
「複雑音声チック」・・・発声や汚言(【おげん】きたない言葉を絶えず口にすること)が出ること
例えば、ビートたけしさんがくねくねと首を動かしたり、 石原慎太郎さんが時おり目をパチクリまばたきさせるのは「単純運動チック」の一種とも言われています。 意識すれば、このようなチック症状を一定の時間は止めていることができますが、なかなか思い通りにならないものです。
このような症状が出た場合は、他の疾患の可能性も考えないといけません。 舞踏病や部分てんかんなどは、意識が保たれたまま不随意運動(意志とは無関係におこる運動)をおこし、 チックと似た症状が出ます。医師が診察をし、くわしく話を聞いて経過観察することで、 ほぼ「チック症」の診断は可能ですが、きめ手となる検査がないのが実情です。 場合によっては、これらの疾患を鑑別するために血液検査や画像検査などをおこなうこともあります。
チック症は、6、7歳でおこることが多く、中学生以降は少なくなります。 多くの場合、症状は一過性で1年以内になくなります。なかには慢性化して長引くことがありますが、 その多くは成人期までによくなります。
チック症の一般的原因としては、以前は心理的なものと考えられていた時期がありました。 しかし、最近の研究では、その本当の原因は、そもそもの素質・素因(この場合は“なりやすさ”と思ってください) やホルモンの関与と言われています。とはいえ、例えば人前での発表会や行事など緊張が強まることや家族・ 友人関係などの精神的なもので症状が悪化することがあり、心理状態に影響される疾患とも言えます。
治療は、子供や周囲の大人が、その症状を理解し受け入れることから始まります。 このような環境調整で改善することも多いです。基本的には自然によくなるため薬物療法の対象にはなりませんが、 重症度が高い時やチックの症状で日常生活に支障をきたす場合には投薬を行います。
今回の場合は、年齢的には早めですが、「まばたき」のみのようなので単純運動チックと思われ、 また運動会でストレスがかかった可能性があると思われます。しかし、上記で述べたように一過性のことが多いので、 基本的には経過観察になります。本人には「まばたき」の症状を過度に意識しないような配慮をしてあげて下さい。 全く「まばたき」に触れないように周囲が緊張する必要はありませんが、「まばたき」を叱ったりすることは逆効果だと思います。
また、悪ふざけを叱ることも時に必要とは思いますが、なるべく言い聞かせる、ほめてあげる、 と言ったことを意識するほうが長期的に有効と思われます。難しいと思いますが、悪いことをしたときに叱ることよりも、 普通のことが普通にできたときにほめてあげて下さい。
例えば、車に乗る時ちゃんとチャイルドシートに座れた、とか病院に行って挨拶ができた、 などでいいと思います。また診察の時は口を開けるなど事前に予測されることがあれば、 あらかじめ説明しておくことも有効だと思います。緊張や不安はチックの原因ではありませんが、 増強させるものなので、なるべく気楽な生活が送れるように努めて下さい。
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1972年長野県生まれ。1997年某国立大学医学部卒業、2003年に医学博士取得。主な研究テーマは白血病と細胞周期。 現在、地方中央病院の小児科勤務。元来の子供好きで、優しく丁寧な診察がモットー。子供は国の宝を信条として、 自身のサイト『
子供健康Q&A
』とメルマガ『
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』でも子ども相談室を実施。その丁寧な回答ぶりで好評を得る。忙しい診察・研究のかたわら、2年に1回の沖縄旅行を楽しむ。
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