子どもの健康に関するお悩みに、現役医学博士の小児科医ユンタ先生がお答えします。
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おねしょがなおりません
これまでずっとです。
9才8ヶ月の女の子
小学4年生ですが、いまでも週に2,3度おねしょをします。小児科の先生の指示に従い、 夕方6時以降は水分を控え、食事の時にはコップ1杯、 その後どうしても喉が渇いたら氷1粒分くらいを目安にしていますが、目立った効果はありません。 床につくのが9時半ですが、朝5時頃におねしょすることが多いようです。 最近は寒いせいか1日で合計した水分量まで減ってきていて、体調に影響がないか心配です。 来年は臨海学校もあるので何とかしたいです。アドバイスをお願いします。
(かにたま)
夜尿、いわゆる“おねしょ”は乳幼児期には一般的ですが、年齢が上がるにつれ減少していきます。 多くの場合、小学校に入学するころには治まりますが、 10歳ごろでも5〜10%程度の子どもに月1回以上の夜尿があります。
夜尿の原因は大きく2つに分けることができます。1つは膀胱(ぼうこう)などの機能的な問題。 もう1つは膀胱(ぼうこう)なども含めた器質的な問題です。器質的な問題とは、腎臓や尿路の走行に問題があったり、 神経学的な問題があったりなどです(このほかにも色々あるのですが)。 夜尿の多くは機能的な問題ですが、 器質的な問題を鑑別するために血液検査や超音波検査(エコー)、画像検査などが行われます。 これは主治医に相談して、必要に応じて検査を受けてみる必要があります。
生まれてからずっと、ということですから、おそらく器質的な疾患はすでに鑑別ずみと考えて、 今回の相談は機能的な問題として回答いたします。
機能的な夜尿症は次のように分類できます。
(1)多尿型
これは夜間の尿量が多いタイプです。一般に、昼間に比べて夜間は尿が濃縮されて尿量が減少しますが、 この濃縮がうまく行われないのがこのタイプです。
(2)膀胱型
これは膀胱の容量が少ないため、夜間に作られる尿が膀胱容量を超えてしまい、その結果、 夜尿になるものです。このタイプのお子さんは、1回あたりの尿量が少なくなるので、 昼間の尿回数も多くなる傾向があります。
(3)混合型
上記の(1)と(2)の両方が見られるものです。
夜尿症の場合、年齢が上がっていくと自然に機能が上がり改善することが多いので、 基本は生活指導になります。しかし、効果が不十分な場合や旅行や行事などがある場合は、 薬物療法も行われます。全てのタイプに共通することですが、夜尿の3原則は“あせらない”“怒らない”“起こさない” と言われています。親があせったり、また子供を叱ったりすると、 その心理状態がお子さんにも影響して余計に萎縮してしまい、夜尿が続いてしまうので注意が必要です。 また“起こさない”のは、夜中に熟睡させるほうが抗利尿ホルモン(尿が出なくなるように作用するホルモン) がよく出てきて、その結果、尿の濃縮力が増すからとされています。
すでに行われていますが、夜間の飲水制限はもっとも一般的な生活指導の1つです。 この場合、全体の水分摂取量が減り過ぎないように、日中は十分な水分をとるようにしてください。 他には、塩分を制限する(1日当たり6〜8g)という方法もあります。 今回は睡眠3時間前から水分制限をしているようなので、時間としては十分と思われます。 すでに行っていると思いますが、床につく前に排尿して膀胱の中を空にしておくことも大事です。
その他には、日記のように日々の夜尿の記録を付けて、お子さんの自覚をうながしていくのもよい方法です。 また、このときに“連続○晩”夜尿がなければたくさん褒めてあげたり、小さなご褒美をあげたりして、 お子さんのモチベーションを上げるのも効果的です。
また、膀胱容量が少ない場合は、膀胱訓練が有効なことがあります。 これは日中トイレをできるだけ我慢してから行くようにして、膀胱に多くの尿を溜められるように練習するものです。 膀胱は尿で膨らむので、だんだんたくさんの尿が溜められるようになってきます。
これらの方法でうまく行かない時は薬剤が使われます。内服や点鼻がありますが、 先の夜尿のタイプによって効果のあるものが異なってきますので、主治医との相談が必要だと思われます。 学校の行事などが控えているならば、薬剤療法も検討してみてください。
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1972年長野県生まれ。1997年某国立大学医学部卒業、2003年に医学博士取得。主な研究テーマは白血病と細胞周期。 現在、地方中央病院の小児科勤務。元来の子供好きで、優しく丁寧な診察がモットー。子供は国の宝を信条として、 自身のサイト『
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』とメルマガ『
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』でも子ども相談室を実施。その丁寧な回答ぶりで好評を得る。忙しい診察・研究のかたわら、2年に1回の沖縄旅行を楽しむ。
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