今回はおへその炎症です。表面だけの炎症のことが多いのですが、おへその奥に炎症がある可能性も考えたほうが良さそうです。2週間と経過が長いので病院を受診することをお勧めします。
■おへそとは
胎児のときに、赤ちゃんは母親の胎盤とへその緒でつながっています。このへその緒(臍帯:さいたい)には血管があり、胎児は母親から栄養などをもらっておなかの中で大きくなります。生まれた後は臍帯を切るのですが、赤ちゃんの体に残ったほうは自然にとれてしまいます。
■おへその炎症
おへそがじくじくして、治ってくるとカサブタになり、かゆくて掻いてしまうという繰り返しが今回の経過ですね。この原因は大きく分けて2つあって、おへそ表面に原因がある場合と、おへその奥に炎症の原因がある場合があります。
■おへその表面の炎症
赤ちゃんで、臍帯が取れたあとにジュクジュクすることがあります。それを臍肉芽(さいにくげ)と言います。また、おへそやその周囲の皮膚が感染を起こしても同じような症状になります(臍炎)。両者とも赤ちゃんのときになりますが、皮膚表面の感染、という点では後者の場合は年長児でも起こり得ます。臍肉芽の可能性は、今回考えなくて良いでしょう。
■おへその奥の炎症
おへそには臍帯の血管の名残があるのですが、血管以外に尿膜管や卵黄管と呼ばれるものがあります。これらは胎児のときにおへそと膀胱(になる部分)などとつながっています。通常この尿膜管は生後に閉じてしまい、問題になることはありません。しかし中には、この尿膜管がうまく閉じずに、管状や袋状に残っている場合があります。
この部分に感染が起きると、見た目はおへその表面の炎症なのに、実際の炎症部位はおへその奥なので、感染が長引いてしまいます。
診断方法としては、おへそに「ゾンデ」と呼ばれる細い棒を入れてみる、エコーやCTで確認する、といった方法になります。
■治療はどうするの
おへその表面だけの問題ならば、抗生剤の内服や軟膏を使用して治療します。また、かゆみが強いようならば抗ヒスタミンなども併用します。へその奥の問題ならば抗生剤だけでなく、手術で尿膜管自体を取ってしまうことが必要になることがあります。
■今回の場合
おへその表面の炎症だけとしては期間が長いように思われます。おへそを掻き壊して長引いているならば良いのですが(いや、これもあまり良くないですね)、おへその奥に問題がある可能性も否定できません。このことも踏まえて病院を受診することをお勧めします。手術を行うならば小児外科になると思いますが、まずはかかりつけの小児科があれば相談するようにしてください。