うちの子は歯磨きとシャンプーをすごく嫌がります。一緒に歯磨きをしたり、シャンプーの時もまず私がやってから、「怖くないよ」と言いながらシャンプーしようとするのですが、すごく嫌がるので半ば強引にやっています。当然、泣き叫びながら抵抗します。自分から進んでやるように仕向ける方法はないでしょうか?
相談のお子さんは、もともと過敏で緊張が強いタイプなのではないでしょうか。そういう子は、人より不安や恐怖心が大きいのです。それは親の育て方のせいというより、ほとんどは生まれつきの個性なのです。一方でこんな子どもは、感受性が豊かで、人の気持ちを思いやれる良い面もたくさんもっているのです。
歯磨きやシャンプーの必要性をていねいに教えてあげると、がんばれる子どももいます。でもそれでもだめな場合、子どもは「必要性はわかるけど、怖いものは怖い!」と言いたいのです。強引にやらせることによって、いつの間にか慣れてしまう場合もありますが、そのことによって、かえって恐怖心が強くなってしまう子どももいます。
このような子どもの場合、「大丈夫!」「怖くないでしょ!」と、無理に恐怖心を消し去ろうとすると、「ボクの気持ちをママは分かってくれない」という新しい不安が加わります。孤独感を感じると、かえって恐怖心は大きくなってしまいます。
ちょっと想像してみてください。自分が小さい子どもで、とっても怖がりやさん。そんな自分の口の中に、棒が突っ込まれたり、溺れてしまうかもしれないような大量の水の中で、息ができなくなりそうだとしたら…。
ここで必要なのは、「共感」するということです。お子さんの恐怖の気持ちを想像しながら、歯磨きやシャンプーに付きあっていると、「怖いよねえ」「嫌だよねえ」という共感の言葉が自然に出てくるはずです。
すると、子どもの泣き方が変わってくることに気づくでしょう。声は大きいけど、ギャーッじゃなくて、甘えたような泣き方になるはず。これは実は、恐怖心がゆるんできた証拠なのです。マイナス感情は、認めてもらうと小さくなる性質があるのです。
「子どもが逃げないように押さえ込む」ということは、必ずしも悪いことではありません。子どもの中には、「ボクは、本当はお兄さんらしくがんばりたいから、ボクが逃げ出そうとしたら、ママ、しっかり押さえてね」という気持ちもあるからです。ですから、その気持ちを応援するようなつもりで押さえてあげると、子どもに安心感が伝わるのです。
こんなふうに接していると、「泣きながらだったら、がんばれる」→「泣かないでやれる」→「自分から進んでやるようになる」というふうに、少しずつ成長していけるはずですよ。お子さんのやる気を信じて、ぼちぼち付きあってあげてくださいね。
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