「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

092.息子の食事のしつけに悩んでいます

まるかーちゃさんからの相談 2歳10ヶ月の男の子

2歳10ヶ月になる息子の食事のしつけについて悩んでいます。食事中、席にはついているのですが、遊んだり歌ったりおしゃべりしたりと全く進まず、1人で食べさせようとすると1時間以上かかってしまいます。なだめすかして食べさせたり、あの手この手を使っていますが一向に改善しません。私に食べさせてほしいみたいなのですが、もうすぐ3歳なので、それは徐々にやめていきたいと思っています。

ただ、保育園では自分で食べるそうで、家での食事態度と全く違います。家ではどう対応したらよいでしょうか?

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ぴっかりさんからのアドバイス

1人でがんばろうとしすぎる子ども

保育園では自力で食べる。家では、ほとんどお母さんに食べさせてもらう。この正反対の態度に、いったいなぜ?と思ってしまいますね。でも“100点か0点か”という両極端の行動は、1人でがんばろうと無理してしまう子どもに多いのです。

小さいうちは自分ではうまく食べられないので、お母さんを頼って当然ですね。ところが子どもは、そのうち「自分でやる!」と言い出すようになります。でもこれは、自分で食べられる力がついたからではありません。多くの子どもは、まだ実力が伴わないうちに、無謀にも自力でチャレンジを始めようとするのです。

“小さな甘え”と“大きな甘え”

失敗の可能性が高いはずの挑戦なのに、なぜそんなに意欲が出るのか。それは、「どうしてもうまくいかなければ、ママに助けを求めればいい」という安心感があるからです。お母さんという“うしろだて”があるから、失敗を恐れないのです。

食べ物を落としたり、お汁をこぼしたりというピンチ。苦手な食べ物に遭遇して食が進まなくなるというピンチ。そんな時、子どもは泣いたりかんしゃくを起こしたりして、お母さんに助けを求めるのです。

でもこうなると、かえって手間がかかりますね。食べさせてもらうということが“小さな甘え”だとしたら、自力チャレンジをフォローしてもらうことは、もっとお母さんの手をわずらわせることになる“大きな甘え”なのです。

失敗しながら、ぼちぼちと

いきなり完全自力を狙おうとする子どもは、相当な不安感を抱えながらチャレンジすることになります。そうなると、達成の喜びよりも疲労感の方が大きくなり、「もう挑戦したくない」というリバウンドが起きます。食事中の遊びや歌は、1人で不安をまぎらわそうとして、苦戦している姿なのでしょう。

ですから「最初はうまくいかなくてもいいからね」という感じでチャレンジさせてみてください。「泣いたりかんしゃくを起こしたりしながらでいいからね」「叱られて、ベソをかきながらでもいいからね」「苦手な食べ物があったら、イヤダ!イヤダ!と言いながらでいいから、挑戦してみようね」と、つきあってあげて下さいね。

もともと無理しすぎる傾向がある子どもは、早く自立させようとすると、かえって逆効果になることが多いのです。一気に100点を取ろうとする子どもは、むしろ引き止めて、10点、20点…と、ぼちぼちペースで歩いていくことを提案してあげて下さいね。そのほうが無理なストレスを溜めすぎなくて、かえって着実な歩みになってくるはずですから。

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