「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

061.ピアノの練習をいやがります

ゆっきっきさんからの相談 5歳3ヶ月の男の子

5歳の息子がピアノを習いたいと言うので、4月から習い始めました。適当に楽器を鳴らすのは好きなようなのですが、練習はなかなか自分からはやろうとせず、楽譜を見て思うように弾けないとイライラしてしまうらしく、「ハァ!」と溜息をついたり、すぐ落ち込んでしまいます。

そのたびに私は「最初はできなくて当たり前、できないから練習するんだよ」「間違えてもいいんだよ。何回も練習したらできるようになるよ」と励ますのですが、本人のやる気が見えず、「やる気がないんだったらやめたら!」とつい怒ってしまいます。

先生のレッスンに行っても、すぐ足を上げたりうろうろしたり集中できず、家ではできたところもできなくなり、先生から受ける注意も素直に聞けません。私も見ていてイライラするし、精神衛生上良くないのでやめさせようかとも思いますが、本人は「やめたくない」「ピアノが好きだ」と泣いて訴えます。

ここまでして続ける必要があるのかと思うときもありますが、楽しくない練習を乗り越えて音楽の本当の楽しさを知ったり、自分をコントロールできる精神力も養えるかとも思います。どうしたら、やる気を出して取り組んでくれるのでしょうか?

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ぴっかりさんからのアドバイス

うちの娘も、同じ頃に「ピアノを習いたい」と言いだしました。面倒くさいなあと、聞き流していたのですが。そのうち、「おねがいれす ぴなのお ならわせてくがさい…」みたいな、すごい手紙(でも、一生懸命書いたらしい)をもらい、しかたなく習わせることにしました。

だんだん家での練習が必要になってくると、ご相談のお子さんと同じように、少しつっかえただけで、「キ〜ッ!」とヒスを起こすようになってきました。親としては、本人次第だと思っていたので、「そんなに嫌なら、やめれば?」と言うと、「イヤだ〜!」。「じゃあ、練習するしかないね」と言うと、それも「イヤだ〜!」。

こんな押し問答が続くうちに、何となく、だんだん練習するようになったのです。現在は高校生ですが、趣味の範囲(?)でピアノは続いています。でも、うちの場合は、先生の前ではそれなりにやっていたので。ご相談のケースでは、先生との関係もあり、ちょっと困ってしまいますよねえ。

“悔しいから、努力する”というタイプの子と、“悔しいから、投げ出す”というタイプの子。この違いはどこからくるのでしょうか。後者の場合、一見、やる気がないと思われがち。でも実は、“やる気がありすぎるので、立ち往生してしまう”という子どもが増えているのです。

「ちゃんとやるゾ!」という気負いが強すぎると、「100点じゃなければ、ダメだ!」と、自分に対する要求が高くなります。そうなると、たとえ途中経過であっても、 10点や20点の自分が許せなくなり、落ち込んでしまうのです。

こういう感じの子どもは、甘え下手な面があるようです。甘え上手な子どもだったら、間違えて悔しくなったら、フェ〜ン!と泣いて、ママに助けを求めてきます。そして、ママに慰められて落ち着くと、ママに手助けしてもらいながら、練習を再開したりします。

でも甘え下手の子どもは、助けを求めようとしません。ママの慰めや手助けも、素直に受け入れようとしないのです。それは、「自分だけで頑張れないなんて、ママに助けてもらうなんて、情けない」と、心の中で、自分を責めているからです。

気持ちの自己コントロール力も、精神力も、その基盤となるのは、ママに甘えるという親子関係です。 “やる気がありすぎて、自滅”ではなく、“そこそこのやる気で、ゆったり”という感じになってもらうためは、急がば回れ。このコーナーで何度かご紹介している、甘えっ子遊び・じゃれあい発散遊びを、ぜひ取り入れてみて下さいね。

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