「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

159.イライラして、子どもにひどい言葉をぶつけてしまいました

ままじろうさんからの相談 3歳5ヶ月の男の子

昨年12月にアスペルガー症候群の診断を受けました。息子は数字や洗車機が大好きで、興味を持つものが個性的。穏やかな気持ちの時はそれを面白く感じるのですが、そう思えない時もあります。1日中電卓に向かって数字を打ち込んでいる姿や、ブロックでひたすら洗車機を作る姿に「何しているの!?」とイライラし、理不尽な怒り方をしてしまいます。「おかしいんじゃない?」「大嫌いだから、どこか行って」「いない方がママは助かるよ」など、言ってはいけないのに口が止まらなくて…手をあげたこともあります。泣く息子に余計イライラします。こんな生活ではいけないと思い、悩みましたが、4月から保育園に通わせることにしました。下に1歳の弟もいますが、息子のことはとてもかわいいです。でも、イライラして腹が立つんです。どうしたら心から息子を大好きになれるでしょうか。そして、今まで母親である私が言ったひどい言葉で傷付いた息子は大丈夫でしょうか…心配です。

  • このエントリーをYahoo!ブックマークに追加
  • はてなブックマークに登録はてなブックマークに登録
  • Buzzurlにブックマーク
  • [clip!]
ぴっかりさんからのアドバイス

イライラするのは、自然な気持ち

わが子への愛情は、お母さんの努力だけで育つものではありません。かまってあげると、子どもから「ママ、大好き!」という笑顔が返ってくる。そういうリアクションがあってこそ、「かわいいなあ」という気持ちが強くなっていくのです。

ところが、「ママよりも、数字や洗車機の方が好き」という感じの“片思い”が続くと、お母さんの気持ちがしぼんでくるのもしかたがないこと。「私じゃダメなのかな」という寂しさ・苦しさがたまり、イライラしてきますね。

また、アスペルガーという診断を受ければ、心配な気持ちでいっぱいになります。“心配”という大きな石が心につっかえると、それがじゃまをして、心の奥にはちゃんと愛情があっても、なかなか外に出にくい状態になってしまうのです。

子どもの心の奥にある気持ち

お子さんが、お母さんとの関わりをまるで拒否するかのような行動をとるのは、心の緊張が影響していると思われます。アスペルガーの子どもたちは、平気な顔をしているようでも、人に対する緊張がとても強いのです。

特に、“大好きな人”をむしろ避けてしまう傾向があります。内気な中学生が、恋心を抱いた女の子に対して、逆に意地悪な態度をとるのと似ていますね。本当はお母さんに甘えたいのに、その気持ちがうまく表現できずにいるのです。

よく見ていると、緊張が高まった時や、ストレスを感じている時に、いわゆる“こだわり行動”が増えることがわかるはずです。お母さんがかまってあげようとすると、数字やブロックに執着するのは、「嬉しいけど、緊張する」からなのです。

関わり方のコツ

ひどい言葉を言ったとすれば、それはもちろん、お子さんは傷ついたことでしょう。でも今から、いくらでも取り返すことはできます。それにはまず、「大好きだけど、うまく表現できない」という、お子さんの心の内を想像してあげることです。

また、気持ちが落ち着いた時には、「大好きなんだけど、苦しくなると、つい当たってしまうんだ。ごめんね」と、お母さんのホンネを伝えるとよいでしょう。たとえ、言葉を理解してないように見えても、実はよく分かっているものです。

その他、関わり方のコツは、拙著『ちょっと気になる子の育て方』(学陽書房)に詳しく書いておきました。「接し方が分かり、親子関係が良くなってきた」という感想を、たくさんいただいていますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

ぴっかりさんのすくすく道場の最新号がいち早く読める!
メールアドレス 規約に同意して
トラックバック

トラックバックはまだありません。

この記事に対するTrackBackのURL
コメント
    • アスペルガーと言うのは初めて聞きました。
      でも私も同じ悩みを持っています。
      実は 私の夫を つい1ヶ月前 突然の事故で亡くしました。
      そのこともあり もうすぐ3歳になる娘が よく泣くようになりました。前は 受け止められていたのに 余裕がなく 簡単に泣く娘にイライラ さらに怒って ひどく泣かせてしまうことの繰り返しです。 今もよく泣くのですが それでも 少しでも変えようと 今は出かけまくっています。ただ近くの公園だったり、スーパーだったり気晴らしです。自分の気持ちを変えようとかは やはり時間がかかることなので 出来ることから
      やってみようと思っています。人に愚痴を言うのは 苦手でしたが、話してみたら 少し気が楽になるので 機会があれば 聞いてもらったりもしています。なにか好きなことで イライラの逃げ道を 子ども以外に作るといいかもしれませんね!私は自分のブログでもいろんな人に聞いてもらって 助けられてます。

    • 2009年05月20日 03:29
    • banbi
name
E-mail
URL
画像のアルファベット
comment