「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

170.母親に悪態をつくので何とかしたいです

ピタゴラさんからの相談 6歳7ヶ月の男の子

今小学校1年生の息子は、4歳の頃、広汎性発達障害と診断されました。赤ちゃん返りも重なっていた頃ですが、その後は彼なりに集団生活にも除々に慣れていき、今は学校と学童に楽しく通っています。最近、私が気になっていることは、息子が、私含め息子のお友達、私のお友達に会う時にとても言葉が悪くなり、私に対して悪態をつくことです。日頃も口は悪く、プライドが高いためか、人に注意したり怒ったりして、自分が上に立ちたいという気持ちが多くあるように思います。子供にとっては、とても楽しい場で興奮しているようにも見えます。照れ隠しのため、私に当たっているのかなとも思うのですが。また、幼稚園の頃までは(今でもたまに)照れ隠しのためか赤ちゃんっぽい喋り方をしていました。周りの人がどう思っているか、この場所でこういうことをいうのはどう思われるかなど、もう小学生なので考えてほしいのですが…。TPOに合わせての振る舞いを覚えさせたいと思ってしまいますが、私の対応含めご相談させていただければと思います。

  • このエントリーをYahoo!ブックマークに追加
  • はてなブックマークに登録はてなブックマークに登録
  • Buzzurlにブックマーク
  • [clip!]
ぴっかりさんからのアドバイス

発達障害にともなう緊張

一般に、対人緊張が強い子どもは、「友達が怖い」「みんなが騒いでいるとうるさい」などと、親にグチを言ったり甘えたりすることによって、リラックスしていきます。しかし発達障害のお子さんは、平気な顔をして我慢しようとすることが多いのです。

緊張する心を自分で何とかしようと無理をすると、結果としてそれが、困った行動・気になる様子となって表れます。人に対する優しさを持ちながら、「一人でがんばって何とかしよう」という自力解決の努力が、裏目に出てしまうのです。

子どもなりの理由がある

小学校生活には順調に慣れてきたということですが、少し余裕が出てくる時期だからこそ、「学校は疲れる」とか、「家でのんびりしたい」とかいったグチを言いだすお子さんも多いことでしょう。ところが自力解決に走る子は、心の弱い部分が出そうになると、周りの人を攻撃することによって身を守ろうとすることがあるのです。

自分が上に立ちたいかのような行動は、プライドの高さというより、自信のなさの表れではないでしょうか。赤ちゃんっぽい喋り方も、自分で自分の身を守る手段ですね。みんなが騒ぐような“楽しい場”が苦手だと、妙にハイになることによって不安をまぎらわせようとする場合があります。

なにくわぬ顔でありながら、心の中はいっぱいいっぱい。だから、周囲の人の気持ちを感じ取る余裕がなくなり、TOPに合わせた行動もとれなくなってしまうのです。こういった心のメカニズムが見えてくると、接し方のコツもわかりやすくなります。

気持ちの代弁をしてあげる

こういったタイプのお子さんも、親や周囲の大人に、ホンネの不安や緊張を打ち明けられるようになると、行動が落ち着いてくるものです。そのための第一歩は、困った行動の裏にある「子どもなりの切実な気持ち」を想像して代弁してあげることです。

悪態をついたときには、落ち着いた頃を見はからって、「緊張しちゃったね」と声をかけてあげたり。楽しい場面では、「恥ずかしいね」と言ってあげたり。見当はずれになってもかまいませんから、お母さんが想像したことを折にふれて言ってあげるのです。

ホンネを見抜かれると、かえって怒り出す子どももいます。でも、それでもいいのです。そのうち、「実は…」と、お子さんが気持ちを打ち明けてくれるようになればしめたもの。お母さんにホンネの不安や緊張を表現できるようになれば、ぐんと落ち着いてくるはずですよ。

ぴっかりさんのすくすく道場の最新号がいち早く読める!
メールアドレス 規約に同意して
トラックバック

トラックバックはまだありません。

この記事に対するTrackBackのURL
コメント
  • コメントはまだありません。
name
E-mail
URL
画像のアルファベット
comment