「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

176.自分に不都合があると、感情を抑えられません

ははさんからの相談 11歳8ヶ月の男の子

小学5年の男の子です。楽しすぎる時、腹がたった時、追い込まれた時等に感情を抑えることが出来なくて、ハメをはずしたり、人をきつい言葉で傷つけたり、親や先生の言うことを聞けず勝手な言動をしてしまいます。自分に不都合が起こった時に冷静になれず、他人のせいにしがちです。また、正義感が強く間違ったことが許せず、人を必要以上にしつこく問いつめる傾向にあります。主張は正しいが言葉がキツ過ぎるなど、気持ちと行動のバランスがとれていない気がします。

理解力があり、実行力もあるので、リーダーとして活躍することも多いのですが、自分を抑制できない為に自分勝手になり迷惑をかけたり、不愉快な思いをさせることも多いようです。そういったことは本人も自覚して気をつけようとは思っているようですが上手くいきません。誰でも追い込まれた時などは落ち着いて行動することが難しくなりますが、息子の場合は少し度が過ぎるように思います。親として子供にどのように接し、また声かけをしてあげたらよいのでしょうか。

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ぴっかりさんからのアドバイス

理性が強すぎると、感情が苦しくなる

理性が弱いと、感情のおもむくままに自分勝手な行動で周りを振り回すことになってしまいます。たしかにそういうタイプの子どもの場合は、「もっと理性的になれるように」「感情が抑えられるように」という方針で接していくことが大切ですね。

しかし相談のお子さんの場合は、それでは逆効果になるような気がします。というのも、このお子さんは「理性が強すぎるために、かえって感情が苦しくなり、その結果爆発してしまう」というタイプのように思われるからです。ちょっと分かりにくいかもしれませんが。

がんばり屋さんの2つのタイプ

たとえば、理解力や実行力、リーダーシップを発揮するためには、「がんばりたい」という気持ちは必要ですね。でも、その一方で、人間誰しも「やりたくない」「がんばるのは嫌だ」という気持ちも起きるもので、そういった感情を自分の中で抑えこむことも必要になります。

「いやだ」という気持ちがもともと少ない子どもの場合は、わりと楽にがんばることができます。しかし、「いやだ」という気持ちをたくさん持ちながらも、それを理性の力で必死で押さえ込んでがんばっているタイプの子どももいるのです。

後者のような場合は、好きでがんばっているように見えても、内心はかなりのストレスを溜め込んでいるので、リバウンドが起きやすくなります。自分としてはめいっぱいがんばっていて、いっぱいいっぱいなので、ちょっと注文を付けられただけでも、「これ以上がんばるなんて、無理だ!」と爆発してしまうのです。

どう接すればよいのか?

たとえば、理解力・実行力・リーダー力の発揮はほどほどにして、「いいかげんな自分」が許せるようになると、他人のいいかげんさも自然に許せるようになるのではないでしょうか。

「もっと理性的になれ」という接し方だと、今起きている悪循環がますますエスカレートすることにもなりかねません。逆に、理性的な部分がフル回転という状態が少なくなると、心に余裕ができ、気持ちのリバウンドも少なくなっていくはずですよ。

多少の欠点があっても「まあ、いいか」というゆるんだ接し方、理性的な話し合いよりも、「それより楽しもうよ」とくだらないことでキャッキャとふざけられる親子関係を心がけた方が、よい方向に向かっていくと思いますが、いかがでしょうか?

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