「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

178.広汎性発達障害で緊張が強い子、どう接する?

totoさんからの相談 15歳の女の子

娘は広汎性発達障害で、小学校2年生頃まで、買い物で出かけたりした時でも、私からまったく離れられませんでした。3歳で保育園へ入園し、朝送って行き私が傍から離れると、顔の表情がこわばり別人のような表情になるほど緊張していました。そして中学生になってからは、家族の前以外では全くしゃべらず、家庭の外では何をするにも人目が気になり、失敗することを怖がって動けなくなってしまうようになりました。
繊細、怖がり、緊張が強い子供でしたが、何とか平気になって欲しいと思い無理に突き放したりしてきたために、余計に緊張が強くなってしまったように思います。安心感を与える、あるいはリラックスできるようになるためには、どうしたらよいでしょうか。

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ぴっかりさんからのアドバイス

緊張が強い子の「3つのタイプ」

広汎性発達障害のお子さんは、緊張や不安が強い傾向がありますが、その表れ方には3つのタイプがあります。ひとつは“感情爆発型”。不安が強くなったり、緊張したりすると、かんしゃく(パニック)を起こすタイプのお子さんです。

ふたつめは“まぎらわし型”で、不安や緊張をまぎらわせようとして、やたらに動き回ったり、いたずらを繰り返したりする傾向のあるお子さんです。みっつめは“感情抑圧型”で、いわゆる固まってしまうタイプの子です。

「泣き言を言わない」という点が共通

3つのタイプに共通しているのは、「泣いたり、グチを言ったりという形で、不安感情を吐き出そうとしない」というところ。泣き言を言わずに、不安感情をため込んでしまうのです。

ですから“感情抑圧型”や“まぎらわし型”の子どもでも、ため込んだ感情が限界を超えると、急にパニックを起こしたりすることがあります。また、“感情爆発型”“まぎらわし型”でも、年齢が上がると“感情抑圧型”に移行することがあります。

「小さい頃は緊張しやすかったけれど、突き放してがんばらせているうちに、だんだん慣れてきた」という話も聞きます。でもそれは、わりと泣き言上手の子の場合で、吐き出し下手の子は、かえって不安感情をため込むことになりがちです。

どう接すればよいのか?

3つのことに気をつけて接していくと良いのではないでしょうか。ひとつめは、泣き言を認めること。「怖くないでしょ!」と不安を否定するのではなく、「緊張しちゃうよね」「ドキドキするよね」と、不安感情に共感してあげることです。

ふたつめは、チャレンジはチャレンジとして励ましていくこと。ほどほどのチャレンジは、かえって泣き言を言うチャンスを与えることになりますから、悪いことではありません。「泣き言は聞くから、挑戦してみよう」という態度でいくといいでしょう。

みっつめは、体のふれあいを大切にすること。ことあるごとに体に触れてあげたり、ハグしてあげたり、くっついてあげたりを繰り返していくと、少しずつリラックスできるようになってきます。小さな子どもみたいな“じゃれあい遊び”的な関わりや、親子で一緒に騒げるような時間もいいですね。

そんな接し方をしていくと、なんとなく泣き言が多くなったり、甘えてくることが多くなったりすると思います。でもそれは、単なる赤ちゃん返りではなく、成長への足がかりとして必要な変化ですから、安心して受けとめてあげてくださいね。

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