「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

180.競争心が薄いわが子、このままで大丈夫?

諭吉さんからの相談 5歳2ヶ月の男の子

競争心が無く、幼稚園でいつもクラスの一番最後です。カルタ遊びなどで、自分が他の子に負けても全く気にせず、一枚も取れなくても平然としています。制服から園の遊び着に着替えるのも、他の子は一番シール(一番最初に着替えた子がもらえるシール)が欲しくてサッサと着替えるのに、一番になれないとわかっているので、その競争に入らない。鍵盤ハーモニカなども、自分がやってできないと思ったら、できるように努力するのではなく、できないのならやめてしまおうという方向に考えが行ってしまいます。上の子(4歳離れています)もこの子も、他の子を蹴落としてしまうような子になって欲しくないと、一番になれ!一番になれ!と育てなかったのがいけないのでしょうか。何事に対しても、自分にできないこと、他の子に負けてしまうことに対して諦めてしまう、努力しない姿が目立ってしまい悩んでいます。どのように対応(声かけ)をしたら、1番ではなくても、他の子が頑張っているのだから自分も頑張ろう!!という気持ちを持って行動してくれるようになるのでしょうか?

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ぴっかりさんからのアドバイス

競争心ってなんだろう?

卓球の福原愛ちゃんは、小さい頃から、試合で負けると、涙をボロボロ流して悔しがっていました。「負けたくない」という競争心があったからこそ、練習に意欲的になり、世界で通用する実力を身につけることができたのですね。

ところが競争心が強すぎるあまり、ゲームに負けるとすぐに怒りだし、周囲に当たってしまうタイプの子どもがいます。そうなると、競争心が努力に結びつかず、ちっとも実力がついていかなくなってしまいます。

「負けるのが嫌なので、最初から競争を避けてしまう子ども」は、上記の子どもと共通したタイプと言えます。つまり、本当に競争心がないわけではなく、勝ちたい気持ちが満々なので、負けそうな場面を避けようとするのです。

勝負を楽しめるようになるためには?

競争心が強い子どもなら、その気持ちが努力に結びつくような方向に伸ばしてあげたいですね。ところが、いくら接し方を工夫しても、「すぐに怒り出す」「競争から逃げ出してしまう」というタイプの子どもは、本当は競争心が強いわけではなく、「自分に自信がないから、変な形で勝負にこだわる」のです。

こういったタイプの子どもは、甘え下手の子どもに多いようです。ですから、競争心うんぬんよりも、甘えを誘うような接し方のほうが効果的。また、じゃれあい遊びのような親子遊びの中で、楽しく力試しができるような機会を増やしていくとよいでしょう。

本当に競争心がない子どもの場合

ところが中には、本当に競争に興味がなく、平然としている子どもがいます。そういったタイプの子どもは、それで“人生のバランス”が取れているのではないでしょうか。競争に明け暮れて一喜一憂している現代人は、見習うべき人格かもしれません。

ただ、親としては、「困難さを避けるような、安易な人生を送るのではないだろうか」と心配になってしまいますね。でも、その子の人生にとって“困難なことへのチャレンジ”が必要なら、そのうちちゃんと、本気になって力を発揮せざるを得ない出来事に出会うはずです。

こういうタイプの子どもは、いざとなったら、意外な“底力”を見せてくれるもの。
とりあえずは、本人のペースに任せて、見守っていてよいのではないでしょうか。

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