「癒しの子育て」「親育ち」をアドバイス ぴっかりさんのすくすく道場

189.自閉傾向がある息子を上手にほめるには?

ゆりねさんからの相談 3歳6ヶ月の男の子

発達に1年程度の遅れがあり、多少自閉傾向があると言われています。先月から療育に通い始めました。「良いところをほめてのばしていきましょう」とのアドバイスを受けて、着替えがうまくできたとき、自分からトイレに行こうとしたり、片づけたりした時、またうまくいかなくても、「がんばってるね〜」、「うまくなってきたね〜」などいろいろな場面でほめるように心がけています。ですが、本人はちっともうれしそうではありません。ほめると目をそらして逃げてしまうこともあります。少しほめただけでニコニコとうれしそうにしていた上の子とは全然違うなぁ、と。上手なほめ方、また他にも何か接し方などアドバイスがありましたら教えてください。

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ぴっかりさんからのアドバイス

自閉傾向あっても、心の中は同じ

「自閉傾向がある」と診断されると、ふつうの子育ては通用しないのかなと思ってしまうかもしれませんね。ふだんの行動を見ても、「上の子とは全然違うなぁ」と感じることがたくさんあると思います。

でも実は、自閉傾向がある子どもも、心の中は他の子と変わりません。それがそう見えないのは、とっても繊細な心を持っていて、ちょ〜恥ずかしがり屋さんだからです。見ている限りでは、ちっとも恥ずかしがり屋さんには見えないと思いますが…。

それは、「恥ずかしがり屋さんだとバレることさえ、恥ずかしい」から。悲しい時も悲しくないふり、くやしい時もくやしくないふり、困った時も困っていないふり…。要するに、自分の気持ちが周囲の人にわかってしまうのがとっても恥ずかしいのです。

ほめても、うれしそうでないのは?

「ほめても、うれしそうでない」理由は2つあります。ひとつめの理由は、本当はうれしいけど恥ずかしいから。極端な恥ずかしがり屋さんだとこわばった顔や、むっとした顔になってしまうので、わかりにくいと思います。

ふたつめの理由は、自分に対するハードルが高いから。できないことが多いわりには、「もっとちゃんと、完璧にできなくてはいけない」と思い込んでいる面があります。ですから、ちょっとした成功ぐらいでは、ちっともうれしくないのです。

ほめると急に怒り出したり、いたずらを始めたりする子もいます。これも、照れ隠しだったり、相手にほめることをやめさせるための行為ですね。でも本当は、ほめられたくてしかたがないのですが…。

接し方の工夫は?

一番大事なのは、「繊細な心を持った、ちょ〜恥ずかしがり屋さんなのかも」という見方で接してみることです。最初は半信半疑でもいいですから。こういった見方を心がけながら接していると、きっとつきあい方のコツがわかってくるはずです。

「やってごらん」と誘っても、なかなか積極的になってくれないのは、やる気がないのではなく、自信がないから。「100点が取れなければ、0点でもいい!」みたいに、やる気がありすぎるがゆえに裏目に出てしまう面があります。

“やる気が出る”まで待っていると、いつまでたっても一歩が踏み出せず、子ども自身がいらだってくることもあります。そういう場合は、多少強引にでも誘ってあげた方がチャレンジする気になり、本人もうれしくなったりするもの。たまには、そんな接し方も試してみてくださいね。

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