子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

母乳性黄疸はいつごろ消えるのでしょうか

時期
生まれてからずっと
お子さんの年齢と性別
0歳2ヶ月・男の子
症状の詳細

母乳で育てていますが、黄疸(おうだん)がまだ残っているような気がします。白目も完全に白くなく、なんとなくグレーがかかっているような…。母乳の場合、黄疸がしばらく残っても大丈夫だと1ヶ月検診のときに言われましたが、いつまで大丈夫なのでしょうか。病院に行くタイミングがわからなくて迷っています。

(りゅう さん)
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ユンタ先生からの回答

母乳を飲んでいるお子さんの場合は、黄疸の状態が1ヶ月以上続くことがあります。母乳が原因の黄疸は、通常問題になることはありません。しかし、便が白かったり濃い色の尿がでたりするようなら、肝炎や胆道閉鎖症などによる黄疸の可能性があります。このような場合は、病院での治療が必要です。母乳が原因の黄疸の場合は、母乳を数日中止して人口乳にすると、黄味を帯びているのが薄くなってきます。

黄疸って何?

黄疸は体の中にビリルビンというものが溜まったときに見られる現象で、皮膚や目の白い部分が黄味を帯びている状態を指します。体内のビリルビン値が高い時は全身が黄色くなりますが、ビリルビン値が下がるにつれて体の黄味は薄くなり、最後まで残るのは顔面や目になります。
ビリルビンの多くは老化して破壊された赤血球に由来します。そこから酵素の働きによってビリルビンが生成されます。このビリルビンは、肝臓で水に溶けるように処理されて腸から便とともに排泄されます。
新生児は赤血球が多く、肝臓の機能も未熟なため黄疸が出やすくなります。もっとも多い原因は母乳性の黄疸ですが、通常、母乳による黄疸が長引いても、後遺症などは基本的にありません。

母乳以外の黄疸の原因

赤血球がたくさん破壊されているときや、肝炎などを起こして肝臓の機能が悪くなっているとき、肝臓から腸までの通り道(胆道)が通っていないときなどに黄疸がみられます。そのほかにも、感染や甲状腺機能低下症、代謝異常などでも黄疸になることがあります。

観察のポイントは

今回は母乳で育てていて黄疸の程度も軽そうなので、母乳による黄疸の可能性が高いと思われます。家庭でできる対応のひとつは、母乳をミルクに数日切り替えることです。これで黄味が薄くなるようでしたら、母乳性黄疸の可能性が高いと思われます。母乳の中止で色が薄くなり、下記のような症状がなければ、様子を見ていてよいと思われます。
上に挙げたような病気の場合は、便の色が白っぽくなったり尿が褐色になったりします。他には、手足がだらんとなるような筋肉の緊張の低下や、おっぱいを吸う力が弱いなどの症状が出ることがあります。当てはまる症状があるならば病院に行かれることをお勧めします。

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