子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

お昼寝をするため、夜の寝つきが悪く困っています

時期
2歳になる少し前
お子さんの年齢と性別
2歳2ヶ月・女の子
症状の詳細

1歳から保育園に預けています。規則正しい環境の中で保育していただき、ありがたい一方、お昼寝のことで悩んでいます。毎日、昼食後の1時から3時までお昼寝をします。このため夜の就寝時間が遅くなってきています。8時台にはベッドに行き、本を読んだり部屋を暗くして、寝る体勢に入りますが、10時近くまで寝られないこともしばしば。このため朝もパッと起きられず、朝食にも影響しています。他のお子さんも、夜はなかなか就寝できない子が多いようです。
ちょうどいいお昼寝の時間とはどれくらいなのでしょうか?また、何時ごろまでに就寝するのがよいのでしょうか?よく夜10時ごろから成長ホルモンが活発になるといいますが、保育園に相談したくても明確な根拠がないので、是非アドバイスをお願いします。

(りえぴ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は睡眠リズムについてですね。個人差があるので、一概に何時までに寝なくてはいけないということはありませんが、2歳児の標準的な睡眠時間は、昼寝を含めて12時間前後と言われています。従ってこのお子さんの場合、昼に2時間寝るとして、朝の起床時間が7〜8時ごろならば夜の9〜10時ごろに就寝するのが適切です。また成長ホルモンは、就寝した時間が何時であるかによって分泌量が増えるわけではなく、寝てから分泌量が増加してくるものです。入眠後1時間くらいがピークになりますが、寝付いた時間が8時、9時、10時であっても、それによる差はほとんどないと考えて良いと思います。

生活リズム

ヒトには体内時計と呼ばれる生体リズムがあります。この体内時計は25時間で1周するので、このリズムに従うと、毎日1時間ずつ地球の自転とズレが生じます。一般には、日の光や朝食などで時計をリセットし調節していくのですが、乳児の場合はこの調節機能が未熟なため、ずれたままになってしまうことがあります。そのためいつの間にか昼夜逆転してしまうお子さんもいます。親御さんは大変でしょうが、お子さんにお付き合いして、また昼に戻すようにしていくしかありません。

睡眠リズム

生後3〜4ヶ月以降では夜間の睡眠が長くなり、昼寝の時間は減少します。乳児期後半からは昼寝は午前と午後の1回ずつになり、1歳以降では昼寝は午後の1回になります。

睡眠時間

新生児は1日16時間ほど眠りますが、成長とともに睡眠時間は減少していきます。1歳では、昼寝を含んで13〜14時間前後、2歳では12時間前後が標準的な睡眠量になります。その後徐々に減少していきますが、成人の場合7〜8時間程度が適当な睡眠量になります。もっとも4時間の睡眠でも平気だったというナポレオンのような人もいるので何事も例外はありますが。

昼寝

標準的な眠りのリズムと時間は上記の通りなのですが、中にはまったく昼寝をしないお子さんもいるようです。3歳児の10〜15%くらいは昼寝をしないようです。昼寝をしないからといって睡眠不足になるわけでもないようです。このように個人差が大きいので、何時間昼寝をしなければいけないということはないようです。しかし、午後3時すぎまで寝ていると夜間の寝つきが悪くなるようです。

今回の場合、園の昼寝の時間自体は一般的には問題ないと思います。しかし個人差が大きい部分でもあるので、寝つけないお子さんが多いようでしたら、グループ分けのような形で対応していただけないかお願いしてみてはいかがでしょうか。

成長ホルモンは入眠後1時間くらいをピークに分泌されます。このホルモンは身長を伸ばして体を大きくする働きがあります。昔から言われる“寝る子は育つ”ですね。また、夜食などを食べるとホルモンの分泌が低下するようです。極端な睡眠不足というわけではなく、きちんと体が大きくなっているようでしたらあまり気にしなくても良いと思われます。

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