子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

口の中が白くなり、鵞口蒼(がこうそう)と診断されたのですが…

お子さんの年齢と性別
0歳3ヶ月・男の子
症状の詳細

生後1ヶ月で鵞口蒼(がこうそう)といわれ、フロリードゲルを処方されました。塗って一度は治っても、塗らないとまた白くなってきます。今3ヶ月を過ぎましたが、このまま塗り続けるのでしょうか?だんだん抵抗力がついてくれば治るとは言われたのですが、ちょっと心配です。

(ひろまま さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は鵞口蒼(がこうそう)です。これはカンジダ(真菌)の感染によるもので、フロリードゲルのような抗真菌剤で治療を行います。新生児期や乳児期には比較的よく見られますが、1歳を越えると少なくなります。抗生剤などを使用していないのに、鵞口蒼が何度も再発したり、なかなか治らなかったりするときは血液の検査などが必要な場合があります。

カンジダとは

感染症の原因となる、いわゆる“ばい菌”は、その性質によって細菌、真菌、ウイルスなどに分けられます。この中で真菌は“カビ”と呼ばれるものです。今回のカンジダもこの仲間になります。普通の人の皮膚などについている菌を常在菌といいますが、カンジダもこの常在菌の一つです。

鵞口蒼とは

鵞口蒼は「口腔偽膜性(こうくうぎまくせい)カンジダ症」とも言われ、カンジダ感染症の一症状です。これは口の粘膜や舌などに白い斑が出てきます。無症状で治療を必要としないこともありますが、中には痛がったりミルクを飲む量が減ったりするお子さんもいます。ちなみに皮膚に普通にいる菌なので、オムツが当たる部分のように湿って擦れやすい場所にも出てくることがあり、それは「皮膚カンジダ症」と言われます。治療を行う場合は、今使用されているフロリードゲルのような抗真菌剤を使います。内服したり、局所に塗ったりして治療します。1週間前後で症状が軽くなることが多いです。

どんなときに感染するの

カンジダは正常の皮膚にもいる菌なので、正常出産の新生児にもカンジダが感染することがあります。正常新生児の数パーセントはカンジダに感染し、早ければ1、2週間で発症します。すぐに症状が軽くなるときは良いのですが、何度も再発したり長引いたりするときは注意が必要です。

今回の場合

生後1ヶ月で鵞口蒼になること自体はまれなことではありません。しかし、2ヶ月にわたって感染が再発していることが問題です。まずは薬(フロリードゲル)の使い方が中途半端になっていないか確認してください。少し使ってある程度よくなっても、そこで薬を中止してしまうと症状がまた出てきてしまうことがあります。また抗生剤を使っていないかも確認してください。このようなことがなく、風邪が治りにくいなどといったようなことがありましたら、免疫系に問題がある場合もあります。この場合は血液検査などで免疫系の検査をする必要があります。その他の全身状態や発育とも関連しての評価になりますので、主治医の先生と相談することをお勧めします。

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