まぶたの腫れと熱、感染症の疑い?
- 9歳3ヶ月ごろ
- 9歳4ヶ月・男の子
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里帰り先の病院で溶連菌(ようれんきん)感染症と診断され、トミロンを10日分処方されました。里帰りから戻ったあと、まぶたの腫れと熱があったので、かかりつけの医師に見てもらったら、尿検査は異常なしで、熱は風邪によるものだろうということでした。溶連菌感染症は心配しなくていいと言われました。
病院によっては、トミロンを服用2週間後と4週間後に尿検査をするようにと言いますが、かかりつけの医師はもう尿検査の必要はないと言います。少年野球をやっているので、いつぐらいから野球をさせていいのか悩んでいます。 - (ゆうまま さん)
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溶連菌感染症は、正式には溶血性連鎖球菌といいます。感染のタイプは、のどに炎症を起こしやすい型や、皮膚に炎症を起こしやすい型に分けることができます。どちらの型も腎炎(急性糸球体腎炎)を起こすことがあります。のどに炎症を起こす菌の場合は、感染後1〜2週間、皮膚に炎症を起こす菌の場合は、感染後3〜6週間が腎炎を発症しやすい時期です。そのため、この時期またはそれ以降に検尿をして確認することが望ましいということになります。
溶連菌とは
子どもののどや皮膚の感染症の原因となる菌です。咽頭炎の潜伏期間は通常2〜5日程度ですが、この菌は伝染性が高く、子どもに限らず成人でも発症することがあります。溶連菌はいくつかの型に分けることができ、一度感染しても異なる型の溶連菌には感染してしまいます。そのため何度も溶連菌に感染してしまうお子さんもいます。
溶連菌に感染するとどんな病気になるの
この菌に感染することで咽頭炎やとびひになったりします。また猩紅熱(しょうこうねつ)やリウマチ熱、腎炎(急性糸球体腎炎)もこの菌が原因です。溶連菌感染症後に検尿を行うのは、腎炎になっていないかをチェックするためです。
溶連菌の治療はどうするの
抗生剤が有効です。咽頭炎の場合は治療開始後1〜2日で他人への感染力はなくなります。内服期間は10日間。その期間で、のどから菌を追い出します。通常はペニシリン系の抗生剤が最初に選ばれますが、アレルギーがあったり内服できなかったり、または地域の流行(ペニシリンが効きにくい種の溶連菌が流行しているなど)によっては、その他の種類の抗生剤が選ばれます。ちなみに今回のトミロンは、セフェム系と呼ばれる種類の抗生剤です。セフェム系のほうがペニシリン系よりも溶連菌に対
治療後、気をつけることは
腎炎を起こすことがあるので、検尿などでチェックすることをお勧めします。腎炎の程度は、症状がなく顕微鏡でわかるレベルの血尿程度の人から、腎不全のようになり高血圧や浮腫などが出てしまう人までさまざまです。溶連菌後の腎炎は、ほとんどの場合は完全に回復するので、急性期を乗り切るための管理が大事です。検尿のタイミングは感染後2週間ごろが適当と思われます。慎重な施設では2回検査を行うこともあるかもしれません。
抗生剤を内服して熱が下がり、症状が軽くなれば、その抗生剤は有効だったと考えてよいでしょう。他人への感染力は1日程度でなくなるので、薬を飲み始めて2、3日したら登校は可能になると思います。地域によっては登校許可証が必要なことがあります。
日常生活は特別な制限はありません。手足がむくむ、血尿が出るなどの症状がなければいつから運動を始めても構わないと思います。
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