子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

風邪と中耳炎の薬をほぼ毎月服用しています。体への影響は?

時期
生後6ヶ月頃
お子さんの年齢と性別
2歳6ヶ月・男の子
症状の詳細

息子は生後6ヶ月頃から、風邪をひくと必ず中耳炎になってしまいます。兄弟がいるためか、最低でも月に1回は風邪をひき、小児科で風邪を治した後、耳鼻科で中耳炎を診てもらうということを何十回も繰り返しています。
風邪も中耳炎も治すために抗生物質、鼻用の薬(ムコダイン)を出されるので、月の半分以上も抗生物質や薬を服用しています。治すために薬はきちんと飲ませていますが、のちのち薬の飲みすぎで耐性菌や腎臓、肝臓に他の症状が現れるのではないか心配です。

(ガーベラ さん)
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ユンタ先生からの回答

抗生剤やムコダイン(カルボシステイン)のような薬剤だけでなく、ほとんどの薬剤は肝臓や腎臓で処理をされて排泄されます。そのため、内服の期間が長くなるような場合は、肝臓や腎臓の機能をチェックするための血液検査などを主治医の先生と相談することをお勧めします。また、抗生剤が効かない菌(耐性菌)の問題も常にあります。集団生活をしていると耐性菌に感染してしまう可能性も高くなります。中耳炎は上気道炎や咽頭炎から続発して発症します。何度も繰り返しているようですので鼻の粘膜などの培養検査も考えても良いと思います。こちらも併せて主治医の先生と相談することをお勧めします。

どうして中耳炎になるの

ノドは耳管(じかん)というもので耳とつながっています。口をふさいで鼻をつまんだ状態で息を吐き出そうとすると、耳が内側から圧力をかけられていることが感じられると思います。乳幼児はこの耳管が短く、かつ水平に近いので、菌が入りやすく年長児に比べて中耳炎になりやすくなっています。また小学生になる年齢になると中耳炎の頻度はかなり減少します。

中耳炎の症状は

急性中耳炎の場合、耳痛(じつう)や発熱といった症状が中心になります。また滲出性(しんしゅつせい)中耳炎ではこのような症状が乏しく、中耳に液体がたまり、耳が聞こえにくいという症状があります。低年齢では気づくのが遅れることがあります。

中耳炎の治療は

基本的に感染症なので、それに対応した治療になります。軽症の初期の場合は、抗生剤を使用しないで観察することもあります。症状が強いとき、長引くときは抗生剤を投与することになります。急性中耳炎では、インフルエンザ菌や肺炎球菌などが主な原因菌になるので、これらに対応した抗生剤を内服します。またムコダインのように中耳にたまった液体を排出するような薬剤を併用することが多いようです。中耳炎の程度によっては鼓膜を切開することもあります。

経過が長くなるときの問題は

今回のように、経過が長くなったり何度も繰り返したりするときは、いくつか問題が出てくることがあります。まずは薬の連用の問題です。ムコダインの主な副作用は、食欲不振や下痢(どちらも頻度は1%以下です)なのですが、今回の質問者のガーベラさんが心配しているように、肝機能障害を起こすことがあります。肝機能障害・腎機能障害の頻度は多いわけではないのですが、念のためということで一度検査するのも良いと思います。また上述のインフルエンザ菌や肺炎球菌などは、抗生剤に耐性のあるものも多くなっています。今後のためにも培養検査は一度行っても良いと思います。その上で、効果がありそうな抗生剤を考えて頂いたらいかがでしょうか。また内服量や投薬期間との兼ね合いもあると思いますので、検査に関しては主治医の先生と相談されることをお勧めします。長期間の内服も心配ですが、中途半端なところで服薬を中止すると完全に治り切らないということもありますので、服薬期間に関してはよくご相談ください。また不安があるようでしたら、一度別の耳鼻科の先生に見てもらうことも考慮しても良いと思います。

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