子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

子供が花粉症に。どんな対処が必要ですか?

時期
去年から
お子さんの年齢と性別
4歳2ヶ月・男の子
症状の詳細

花粉症になってしまいました。以前から、鼻水、咳に悩まされており、検査をしたところ、スギ・ヒノキがかなりの数値で陽性でした。他にも、数値は低いのですが、ぶたくさ・かもがや・よもぎも疑陽性でした。去年からは目もかゆがり、今年ももうすでにかゆがっています。私も主人も花粉症ではないので知識が全くなく、薬を飲んだ方がいいのか、何もしないでよいのかわかりません。アドバイスお願いします。

(まぐまぐ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は花粉症の相談です。大人だけでなく小学生や幼児でも症状が出ます。お話から、花粉症の可能性が高いと思います。花粉に対するアレルギー反応なので、なるべくアレルギーの原因となるものを遠ざけ、抗ヒスタミン剤の内服や点眼などで対処してあげると良いと思います。大人と幼児では薬の投与量は変わりますが、基本は同じです。

花粉症とは

スギやヒノキなどの花粉に対する季節性のアレルギー反応です。典型的な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみです。花粉症になるきっかけは、アレルギーを起こしやすい素因のある人が、原因になるもの(抗原といいます。この場合はスギ花粉など)に何回も何回も繰り返し接することです。

検査にはどんなものがあるの

花粉症自体は症状や季節性があるのか、それとも年間を通して症状があるのかなどで推定することができます。また、このようなアレルギーの有無を確認する方法としていくつか検査があります。まずは鼻の粘膜を確認することです。粘膜の腫れなどを観察しますが、花粉症では花粉が飛散していないとき(非飛散期)では正常に見えます。また鼻汁を顕微鏡で観察して好酸球という細胞が出てきているかを確認する方法もあります。血液検査で抗原に対する血液の反応を調べることも多いです。今回の場合はこの検査でスギやヒノキに対する反応値が高かったようです。値が高いからと言って必ずしも症状が出るわけではないのですが、可能性あり、と考えて良いと思います。その他には皮膚に直接抗原を注射(または皮膚に傷をつけて抗原の入った液をたらす方法もあります)して皮膚の反応を見る方法もあります。これらの方法でアレルギーの有無を確認して診断します。

治療は

花粉症と診断がついたら次は治療です。初期治療は抗ヒスタミン薬などの内服になります。症状が強ければ点眼や鼻に対する噴霧用ステロイド剤などを追加していきます。住んでいる地域やその年の気候に左右されますが、治療の時期としては花粉が飛散する1〜2週前から開始できると良いでしょう。
また根本的な治療としては免疫療法があります。薄めた抗原を少しずつ体に入れて体が抗原に反応しないように慣らしていく方法です。注射をして抗原を体に入れていきますが、近年は舌下に抗原を投与する負担の少ない方法がとられるようになってきました。治療にはなりませんがなるべく花粉と接触しないことも大事です。花粉情報をみて花粉が多い時は窓を開けない、マスクを着用する、外から家に入る時にはよく払うなどを心がけてください。洗濯物を取り込む時も払うようにしてください。

今回の場合

スギやヒノキに対するアレルギー検査が陽性であること、鼻水が多く目のかゆみも出ていることから花粉症の可能性が高いと思います。症状が出始めているようですので耳鼻科または小児科を受診して抗ヒスタミン剤の必要性の有無を確認してもらうことが必要だと思います。

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