子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

かなりひどいO脚の娘、病院では「様子見」と言われました

お子さんの年齢と性別
1歳4カ月・女の子
症状の詳細

娘の足が、かなりのO脚です。心配なので小児整形外科でレントゲンを撮ってもらいましたが、特に異常はなかったようで、先生にも様子を見てと言われました。周りから、「本当に酷いから他の大きな病院で診てもらいなさい」と言われており、私から見ても、最近はO脚が酷くなっている気がします。本当に様子見で大丈夫なのでしょうか? やっぱり、他の大きな病院に行った方がいいのでしょうか…。

(ラス さん)
  • このエントリーをYahoo!ブックマークに追加
  • はてなブックマークに登録はてなブックマークに登録
  • Buzzurlにブックマーク
  • [clip!]
ユンタ先生からの回答

今回はO脚に関する質問です。1歳4カ月の頃といえば、もともと「生理的(自然)なO脚」の時期ではあります。なので本当に生理的なものか、それとも病的なものか、鑑別が困難になります。病的なものとしては「Blount病」や「くる病」、その他の骨疾患が挙げられます。
O脚の程度はレントゲンで評価され、この時に関節や骨の評価も通常合わせて行われますが、追加の検査(MRIや血液検査など)が必要になることもあります。今後O脚の程度がひどくなるようであれば、もう一度受診することをお勧めします。以前のレントゲンがあれば経過の評価がしやすくなるので、経過のフォローも含めて前に受診された小児整形外科を再受診し、必要があれば紹介してもらう、または観察期間の設定をしてもらうことをお勧めします。

小児のO脚

小児の足は年齢によってO脚だったりX脚だったりします。一般的に1歳半から2歳ごろまではO脚で、その後X脚になり、7歳頃には成人とほぼ同様になります。生理的範囲かどうかはレントゲン検査で大腿骨、または膝と脛骨の角度と形が正常範囲かどうかで決定されます。
生理的な場合でも、O脚の程度が強く、2歳を過ぎても自然矯正の傾向がないときは治療対象になります。

病的なO脚

病的なO脚の代表的な疾患の1つがBlount病です。Blount病は幼児期発症の場合は両足のO脚、学童期発症の場合は片足のO脚をきたすことが多いものです。原因ははっきりしていませんが、下肢の骨(脛骨)の発育障害により、膝の変化をきたすとされています。幼児期発症の場合は、肥満や早期歩行開始などの影響が考えられています。診断はレントゲンで行いますが、2〜3歳ごろまでは生理的なO脚との鑑別が困難なことがあります。近年はMRIの有用性も云われるようになりました。程度が著しい場合は手術になりますが、その時期は通常4歳前後になります。
その他には、くる病や軟骨無形成症、骨幹端軟骨異形成症といった骨疾患、外傷なども挙げられますが頻度は多くありません。

今回の場合

今回はすでに一度小児整形外科を受診されています。レントゲン検査で程度が軽い場合は生理的な範囲かもしれませんが、O脚が進行しているようならば定期的な経過観察が必要になります。
以前の記録もあると思いますので、O脚が進行しているかどうか、再度受診して診察してもらうことをお勧めします。そして必要があれば、さらに紹介してもらうということで良いと思われます。

小児科医ユンタ先生のすこやかカルテの最新号がいち早く読める!
メールアドレス 規約に同意して
トラックバック

トラックバックはまだありません。

この記事に対するTrackBackのURL
コメント
  • コメントはまだありません。
name
E-mail
URL
画像のアルファベット
comment