子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

おしっこの切れが悪いんです

時期
2年前
お子さんの年齢と性別
6歳10ヶ月・男の子
症状の詳細

上の子の相談なのですが、先日たまたまお手洗いをしているところを垣間見てしまったら、おしっこが出てからチョロチョロと間隔を置いて何回か出てきて、なかなか終わりませんでした。2年ほど前に実家の近くで立小便をしているところ(スミマセン、、、)をうちの父が見て、「おしっこの切れが悪いな」と言っていました。お手洗いに時間を要するのもかわいそうな気がするのですが、他に何か問題はありますか?また治す方法などがありましたら教えてください。よろしくお願いいたします。

(そらこ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回のご相談は、「尿線の途絶」(※尿線とは、尿が描く放物線のことです)だと思います。尿を出す、止めるという調節がうまくできていないことが考えられます。時間を決めて排尿を促したり、排尿の時に力を入れないようリラックスさせるのがよいと思います。

もし尿が断続的で排尿が終了するまでの時間が長くなってきたり、夜尿や日中のお漏らしがある時は、 Hinman症候群(※後ほどご説明します)の可能性もありますので、受診することをおすすめします。(※Hinman症候群の頻度は高いものではありません。可能性の1つとして考えてください)

おしっこの切れが悪いのは何が原因?

尿をためる、出すという行為は交感神経や副交感神経などによって調節されています。しかし、この調節がうまくいかないと、尿道をふさいでしまい、尿がとぎれとぎれになることがあります。

おしっこの切れが悪いと問題があるの?

交感神経や副交感神経などの調節がうまくいかず、排尿時に尿道がふさがってしまうと、排尿するために膀胱がより強く収縮し、過度の負荷がかかります。その結果、膀胱の内側がでこぼこになったり、膀胱が変形したり、尿が腎臓の方に逆流してしまうことがあります。悪いケースでは、尿失禁や尿路感染症、水腎症(すいじんしょう)などをきたすことがあります。

Hinman症候群の可能性は?

Hinman症候群とは、排尿を調整する筋肉自体に問題がある疾患で、排尿を調節する括約筋(かつやくきん)の収縮・弛緩がうまく調節できません。その結果、排尿障害や多量の残尿などをきたし、おしっこが断続的になったり、尿漏れが起きたりします。

トイレトレーニング中などの不適切な排尿習慣が、括約筋の機能に影響を与えてしまっていると考えられています。

治療は定期排尿、排尿時のリラックス法、筋肉を弛緩させる抗コリン薬の投与などを必要とします。もし、あまりに調子が悪いようでしたら、受診をおすすめいたします。

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