首の“ぐりぐり”は放っておいてよいでしょうか?
- 気付いたのは1年ほど前
- 6歳5ヶ月の男の子
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首にぐりぐりが何箇所かあります。風邪気味の時は2センチほどの大きさになり、普段は5ミリくらいの小ささです。
友達は、病院の先生に2センチ以上のぐりぐりだったら病院にきてくださいと言われたそうですが、2センチ以上にはならないので、そのまま様子をみています。
ぐりぐりって放っておいていいのでしょうか? - (ランナー さん)
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今回の「首に触れるぐりぐり」はリンパ節と思われます。通常の大きさが5mmくらいで、風邪の時に大きくなるだけでしたら、そのまま様子を見ていてよいと思います。2cmくらいの大きさのままで2週間以上経過する時は受診してください。
首のぐりぐりって何?
体には血管の他にもリンパ管が張りめぐらされています。リンパ管の中には、リンパ液が流れていて、血液と同様に体の隅々まで到達しています。万が一、体に有害な細菌やウイルスがリンパ液に入り込んだ場合、全身にまわらないようにするためのリンパ管の濾過装置をリンパ節といい、これが「ぐりぐり」の正体です。
リンパ節は、首だけでなく全身にあります。小児では首の他に脇の下や股でしばしばリンパ節を触れることができます。首の部分ならば直径1cm以下は正常サイズと考えられます。濾過装置ですから、ぐりぐりしていて多少大きいのです。
リンパ節でなければ、甲状腺腫や首にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のこぶに触れることもありますが、リンパ節は風邪によってサイズが大きくなることがあるため、今回は首のリンパ節と考えられます。
どんな時に腫れるの?
さまざまな病気でリンパ節は腫れます。様々なウイルス感染や細菌による感染症、川崎病、自己免疫疾患(関節リウマチや皮膚筋炎など)、悪性疾患(白血病や悪性リンパ腫など)など、リンパ節が腫れる疾患の種類は多彩です。他には猫に引っかかれてリンパ節が腫れることもあります。これはそのままの病名で「猫ひっかき病」と言います。
リンパ節はどんなふうに腫れるの?
急性の感染によってリンパ節が腫れた場合は、次のような特徴を示すことが多いです。たいてい圧痛があり、時に表面が赤くなったり熱感が出たりします。また弾力があり、ぐりぐりと動いて周囲とくっついていません。
腫瘍性の物の場合、通常、固くて圧痛がなく、周囲とくっついていてぐりぐりと動いたりはしません。
受診のタイミングは?
首のリンパ節が腫れても多くはウイルス感染によるものです。今回も同様と考えて良いと思います。このような時は自然に回復するため、通常は受診する必要はありません(もとの風邪がひどい時は受診してくださいね)。
細菌感染の時には抗生剤による治療が必要になります。ウイルスによるものとの鑑別は困難なことがありますが、発熱、強い痛み、皮膚の発赤があるときなどは細菌によるものが疑われますので受診するようにしてください。
また、リンパ節が普段よりも大きくなったまま(1〜2cm程度を目安にしてください)2週間以上経過するような時、寝汗が増えたとき、体重が減少するような時は検査が必要になるので受診するようにしてください。
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