質問に対してまったく関係ないことを答えます
- 5〜6歳ぐらいから
- 6歳8ヶ月・男の子
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会話が成り立たないような気がします。本を読んだり、簡単な足し算をしたりなどはできますので、知能的な問題はないと思うのですが、普通に会話できていないような気がするのです。
例えば、「寝る前にトイレいこうね」と言うと、返事の代わりに「カブトムシとクワガタとどっちが好き?」みたいな質問がとんできたりします。よその方に何か質問されても、その答えではなく、全く関係ないことを話し始めたり。精神的な問題か、病気でそのようなことがあるのでは?と心配になってきてしまったのですが…。
- (のんたん さん)
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今回は会話がかみ合わない、成り立たないということが主な問題になっていると思います。このような状態が顕著な場合は、高機能広汎性発達障害(HFPDD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などを疑います。子供への指導の方法など個別の対応が必要なことが多いので、小児神経などの専門の医療機関を受診することをお勧めします。今回は、何かあるとするならばHFPDDの可能性が高いと思われますので、そちらについて解説を行います。
高機能広汎性発達障害(HFPDD)とは?
高機能広汎性発達障害(HFPDD)は知的障害を伴わない自閉症です。自閉症は、脳の中枢神経に先天的に何らかの問題のある発達障害で、多くの場合は知的・社会障害として現れます。しかし、HFPDDは知的障害を伴わない自閉症で、社会性の障害が主な症状です。
つまり、一見すると言葉も普通にしゃべれる、物覚えも悪くない。しかしよくよく話していくと、相手の表情を読み取ることができない、例え話やジョークを真にうける、などのコミュニケーション上のトラブルが発生する症状をHFPDDといいます。
HFPDDが発病する原因は不明ですが、子育ての方法が原因になることはありません。ただ、育児環境や療育によって改善の程度は異なってきます。
高機能広汎性発達障害(HFPDD)の症状は?
自閉症にみられるような症状が出現します。具体的には社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害があります。他には不器用などもみられます。これらの症状の出方はさまざまですが、加齢や教育などによってその症状の程度が大きく変わります。
具体的には次のような状態が見られることがあります。
たとえば、集団行動のときは問題がないのに、遊びの時間や日常の生活では興奮しやすかったりするなど、ちぐはぐなことがあります。またマイペースで、自分のやりたいことがあると一方的に皆から抜けてしまうこともあります。また言語の特徴として、よく話はするけれど、自分の言いたいことを一方的に話して相手の言うことを聞いていない、話題が飛びやすいということがあります。そのほかには文字や数字、記号に関心を強く示したり、1人遊びが好きだったりします。また人見知りがなく、一見、人なつっこいのですが、その会話は一方的で本来のコミュニケーションとは異なっています。
高機能広汎性発達障害(HFPDD)の患者はどれくらいいるの?
以前、自閉症は1万人に4〜5人程度のまれなものと考えられていました。しかし、広汎性発達障害の概念ではもっと頻度が高いことが分かってきました。(今回のような場合の)知的障害を伴わないものでは、250人に1人程度存在すると言われ、決してまれなものではないことが分かってきました。
高機能広汎性発達障害(HFPDD)はどのように対応すればいいの?
日常的な注意事項は次のようになります。問題があった時は注意・叱責ではなく、どのように対処すれば良かったかを話します。また話が伝わらないことが多いので、分かりやすい表現を使うようにします。また、言葉も省略せず、代名詞もなるべく使わないようにします。一般的な対処はこのような方法になってきますが、個別の指導を必要とすることが多いので、専門の医療機関を一度受診して相談することをお勧めします。
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