扁桃腺が大きいからか呼吸が苦しく、夜は眠りが浅いようです
- 8歳1ヶ月・男の子
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夜9時半に寝ているのですが、朝がなかなか起きられず、昼頃と夕方に眠気に襲われるようです。赤ちゃんの頃から眠りが浅く、夜泣きをしたり物音に敏感です。疲れたらぐっすり眠れそうなのですが、周りが静かにならないといつまでも起きているし、夜中にいびきをかいたり、鼻が詰まって呼吸が苦しそうになることもありました。幼稚園の頃、アデノイド(咽頭扁桃)や扁桃腺が大きく、のどが狭いと言われたことがあります。早くぐっすり寝てほしいのですが、扁桃腺を切るなど手術を考えたほうがよいでしょうか。
- (らむりん さん)
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今回は扁桃腺が大きくなることによる、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えられます。程度によっては、扁桃腺を切ることも考えられるので、耳鼻科を受診することをお勧めします。
扁桃とは
扁桃腺は、いわゆる“のどちんこ”とよばれるものの両脇にある、2つの球状の組織のことを指します。厳密には口蓋扁桃(こうがいへんとう)と呼ばれ、扁桃腺はそれ以外の組織のことを指します。扁桃は免疫機能の一翼を担っており、通常2、3歳ころから大きくなり、7、8歳ごろに最大になります。
扁桃が大きくなることによる影響
気道がふさがったり、何かを飲み込むのが困難になります。気道がふさがることで、慢性的な口呼吸、鼻づまり、食欲不振、夜間の無呼吸、いびき、不眠などの症状が表れます。
睡眠時無呼吸症候群とは
一般的には成人に見られる疾患ですが、子どもでも見られることがあります。これは扁桃が大きいため気道が細くなってしまい、換気が十分にできなくなってしまった状態です。症状は先に述べたように、扁桃が大きくなったときの症状と重なります。そして睡眠が十分取れないことにより、発育や学業などに影響が出ることもあります。眠り自体が浅くなり、途中で目が覚めたり、朝起きられなくなることがあります。重症の場合は、胸郭(肋骨で囲われた胸の部分のことです)の変形をきたすことがあります。また、仰向けで眠ると呼吸が止まりやすいため、自然と横向きやうつ伏せで寝たりします。
睡眠時無呼吸症候群に対する検査
アデノイドや扁桃の大きさ、気道がどれくらい狭くなっているかを調べます。レントゲンや、場合によってはファイバースコープを使って検査が行われます。そして睡眠中の状態も調べます。これは胸の運動(寝ているときの呼吸による、胸の上下運動)が行われて、きちんと呼吸ができているかを調べます。
簡単な方法としては、寝ている様子のビデオ撮影や、睡眠時の血液の酸素飽和度をモニタリングするようなものもあります。
鼻炎や感染などで扁桃が腫れているような時は、まずそちらの治療を行います。扁桃が大きいために睡眠時に無呼吸になってしまう時は、扁桃を切ることがもっとも一般的な治療になります。これがうまくいかないような時は、鼻にマスクを付けて呼吸を助けるような方法もあります。
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