子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

目やにが多いです。病院へ行かずに自然に治せますか

お子さんの年齢と性別
0歳4ヶ月・女の子
症状の詳細

このごろ左眼だけですが、ものすごく目やにが出ます。ある方に、涙腺が詰まったらたいへんだと言われ、急に心配になりました。今のところ、涙は出ているので大丈夫だと思うのですが、病院へ行く目安は何でしょうか。近くに眼科がなく、上
に子供が2人いるので、混んだ病院に全員を連れて行くのは大変です。できるだけ自然に治したいのですが、いい方法はないでしょうか。

(Y.Y さん)
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ユンタ先生からの回答

この症状は、鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)かと思われます。涙が通る鼻涙管という管がつまる病気です。目頭のマッサージなどで治ることがありますが、改善しない時は眼科に行く必要があると思います。

涙の流れ道−鼻涙管はどこ?

涙は涙腺で作られ、目の表面を湿らせて鼻側に流れて行きます。鼻側に流れてきた涙は、涙小管(るいしょうかん)から涙嚢(るいのう)、そして鼻涙管と呼ばれる管を経て鼻に抜けます。たくさん涙を流したときに鼻水が出てくるのは、涙が鼻に抜けてくるためです。

鼻涙管が詰まるとどうなるの?

涙が過剰に溜まり、いつも潤んだような目になります。涙が頬に流れ落ちてくることもあります。また目やにが出ることもあり、なかには涙嚢が感染する涙嚢炎(るいのうえん)になってしまうこともあります。涙嚢炎の場合、目頭の部分の腫れや赤み、痛みがでることがあります。

診断はどのようにするの?

目から鼻までの管に詰まりがないかを確認します。症状から診断できる場合もあります。検査を行う場合は、生理食塩水などを涙点と呼ばれる涙小管の入り口に注入し、生理食塩水が鼻に抜けるかを確認します。この生理食塩水を使った検査で確認できない時は、造影剤を用いることもあります。

治療はどのようにするの?

鼻涙管閉塞は一般的に予後が良く、1歳ごろまでに9割以上、自然治癒します。自宅でできる方法としては、マッサージと目の洗浄があります。まず涙嚢部〜鼻涙管をマッサージするのですが、ここは目頭の部分に相当します。また、ぬるま湯などで目を洗ってあげることも有効です。どちらも1日2、3回程度やればよいです。これでも改善しない時は眼科に行って、ブジー(狭い管に挿入する器具の総称)で鼻涙管を通すことが必要になってきます。


膿みのような目やにが多い場合は、結膜炎かどうかを調べる必要があります。この場合は目薬を処方されることが多いです。

今回は上記のマッサージ法と目の洗浄を行って、1ヶ月くらいで改善がなければ受診することをお勧めします。また膿み状の目やにが多く、常に目が塞がってしまうほどならば、まずは一度受診してみてください。

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