子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

便秘気味で、石のようなものが混ざったうんちをします

時期
1ヶ月半前より
お子さんの年齢と性別
0歳3ヶ月・男の子
症状の詳細

8月に入り、それまで1日3回出ていた便がまったく出なくなりました。今は2日出ないと綿棒浣腸しています。その便なのですが、緑っぽく、ゼリー状のドロドロしたものと茶色で小さなツブツブの硬い石のようなもの、ツブツブが集合して少し大きくなったものがいっぱい出てきます。小児科では「ミルクの飲みすぎで、脂肪の塊でしょう。心配ないです」と言われましたが、看護師さんには「見たことがない」と言われました。この石のようなもののせいで便秘なのでしょうか。体格は身長61cm、体重7kgです。また、おしっこする際も最近はうなったりぐずります。お腹もパンパンになる時が多いのですが、なにか病気の兆候でしょうか。

(きのっぴ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は乳児の排便の問題です。体の成長はほぼ月齢相当で問題ありません。生後1ヶ月ごろから排便の回数が減少することは正常のお子さんでも見られることです。便のなかの脂肪の塊(ツブツブ)が石のように硬くて大きいもの、となると詳しく調べる必要があるかもしれませんが、生後1ヶ月までは普通に便が出ていたようなので、先天的な腸管疾患などは可能性が低いと思います。その他に甲状腺機能低下や脊椎疾患などの可能性もありますが、新生児期に異常がなかったことを考えると大きな問題はなさそうです。成長や発達、筋肉の力強さなどでフォローしてもらえれば良いと考えられます。また一度浣腸で便をすっきり出し切ってしまうことも有効かもしれません。

乳児の便

生後1ヶ月頃までは1日に何度も排便があります。また通常その便は柔らかく黄色〜緑色ですが、一般的に母乳だと便はやわらかめでミルク(人工乳)だと硬めになります。新生児(生後1ヶ月まで)のあいだは哺乳すると反射で排便するため、哺乳ごとに排便する場合があります。生後1ヶ月を過ぎるころからこの反射がなくなり排便リズムが形成されるため、排便回数が減少します。もともと母乳では残りかすが少ないので、毎日排便しないこともあります。そのため1日〜2日排便がなくても便秘と即断はせず、便の色や、硬さ、全身状態(排便がスムーズか、お尻が切れたりしていないかなど)で判断します。

便秘になる場合

先天的な腸管の病気や脊椎(背中の神経)などの病気では新生児のうちに便が出ないといった問題が出ることが多いです。そのほかに便を出そうといきむ力が弱くなってしまうような病気でも便秘になります。この中には筋肉自体の病気とは別に、甲状腺機能低下症や貧血、くる病なども含まれます。また、直腸のなかに便が溜まっていると排便のときに痛みや苦痛が生じてますます便を溜めてしまうため、便秘が長く続く傾向があります。

今回の場合

生後1ヶ月から排便の回数が減ること自体は通常の経過です。また体格は月齢相当で発育に問題はないと考えられます。便の性状が硬め、ということが問題ですが、綿棒の刺激で排便が促されるようでしたら大きな問題はないと考えて良いと思います。排尿時にうなるのはいきみや、腸に便が溜まることで膀胱が圧迫されて出しにくい、というようなことかも知れません。大きな先天的異常は考えにくいですが、上記のような疾患がないか、発達・発育に問題ないかといった点でかかりつけの病院で相談されるのが良いと思います。

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