子供の病気に関するお悩みに、現役医学博士の小児科医ユンタ先生がお答えします。

乳歯が生える時期は個人差があります。通常は生後６〜７ヶ月で前歯が生えてきますが、１歳ごろになるお子さんもいます。もし、13ヶ月ごろまでに歯が１本も生えていないようでしたら、萌出遅延（ほうしゅつちえん）の可能性が高いと思います。萌出遅延とは、単に歯が生えてくるのが遅い現象で、特に病気ではありません。

歯の生える時期と順番

一般的に、上顎の歯よりも下顎の歯のほうが先に生えてきます。また、前歯から生えてだんだん奥歯が出てくる、という順番になります。そのため生える順番は下２本　→　上２本、下３本目・４本目　→　上の３本目・４本目　となります。個人差はありますが、20本の乳歯が生えそろうのは２歳半〜３歳ごろです。ちなみに永久歯は小学生になるころか生え換わってきます。その順番は乳歯と異なりまず奥歯（大臼歯）が生え換わり、その後、前歯が永久歯に換わっていきます。

歯の萌出の遅延

生後13ヶ月を過ぎても歯が生えてこない場合、通常よりも遅れている、と判断します。萌出遅延で最も多いのは、家族性や原因不明のパターンです。その他には甲状腺機能低下症や副甲状腺機能低下症などがあります。

今回の場合

１歳前のお子さんなので経過を見ていけばよいと思います。発達や発育に問題がなければ、１歳を過ぎるまで待っていてよいでしょう。家族性のこともありますので、お子さんの兄弟やご両親自身の歯の生えた時期など確認しておくことも良いと思います。レントゲンで歯を確認することも良いと思いますが、これもあわてて検査する必要はないと思います。