子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

発疹が出て真っ赤に。リンゴ病でしょうか?

時期
2週間前
お子さんの年齢と性別
5歳7ヶ月・女の子
症状の詳細

2週間くらい前に両足(ひざから下にかけて)に強いかゆみが出て真っ赤にな
り、熱を持った状態になったため病院へ連れて行きました。診断はウィルス性
の湿疹でした。その後、かゆみは2〜3日ほどで治まりましたが、少し遅れて
手にも同じようなまだら模様の湿疹ができました。今思えば、足の湿疹と同じ
頃に頬も真っ赤になっていました。

自己判断で「リンゴ病」ではないかと思ったのですが、特に薬もないようなの
で、その後病院へは連れていきませんでした。徐々に湿疹も良くなり回復して
いると思ったのですが、顔の赤みはすっかりは取れず、お風呂に入ると身体の
湿疹もぶり返します。

「リンゴ病」の場合、こんなに症状が続くものでしょうか?
診断もされていないので、他の病気ではないだろうか?と考えてしまいます。

(2児のババ さん さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は皮膚の発疹です。リンゴ病(伝染性紅斑)の症状と合致する点もありますが、典型的な例とは少し違う気がします。症状も長引いているようなので、基本的にはもう一度受診することをお勧めします。

リンゴ病とは

リンゴ病は俗称で、正式には伝染性紅斑といいます。「パルボウイルスB19」というウィルスに感染することによって引き起こされ、潜伏期間は約2週間です。一般的に顔の発疹から始まり、肩から上腕、下腿、体幹へと拡大していきます。通常発熱はなく、かゆみを訴えることはありますが、あまり強いかゆみではないようです。発疹は自然に消えますが、1〜3週間程度かかります。日光や運動、ストレスで症状が再燃することがあります。
関節炎・関節痛に関しては成人の女性に多く現れます。小児では成人に比べて関節炎・関節痛は少ないのですが、関節炎・関節痛が出現してもおかしくないと思います。
その他にパルボウイルスB19に感染すると、一過性に骨髄の働きが低下して貧血になることもあります。また、妊婦さんが感染すると死産の原因になることがあるので注意が必要です。
ちなみに伝染性紅斑に罹患しても学校や幼稚園・保育園を欠席する必要はないとされています。

発疹の出る病気

小児で発疹の出る病気はさまざまです。伝染性紅斑の他にも麻疹や風疹、そのほかのウィルス感染、薬疹(薬に対する反応で出現する発疹です)、その他アレルギー性の発疹(じんましん)などがあります。
今回、何らかのウィルス感染による発疹や、かゆみがあり入浴で再燃していることを考えると、じんましんのようなアレルギーが作用している可能性が考えられます。どちらも症状に対する対症療法(例えばかゆみに対して抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を使用する)が治療の中心になると思います。
可能性は低いと思いますが、関節リウマチや全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患でも発疹、関節痛といった症状を呈しますが、これらの疾患自体が稀です。

今回の場合

まだら模様の発疹はリンゴ病のようですが、リンゴ病の場合、通常は顔の発疹が先に出てから足の発疹が出現します。症状は2週間程度続いてもリンゴ病としてあり得る期間だと思います。また症状の再燃も時々見られます。関節痛は成人女性に多く、小児ではあまり典型的ではありません。痛みやかゆみといった症状があるようですし、それに対処するために、そしてじんましんや自己免疫疾患でないと確認するためにも、もう一度受診することをお勧めします。

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