慢性的な下痢に悩んでいます
- 1年半ほど前
- 3才2ヶ月・男の子
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2歳になる数ヶ月前から軟らかい便を頻繁にするようになり、今に至っています。オムツ変えのときはいつも黒っぽい便がついています。定期健診のたびに先生にも相談し、検査もしているのですが異常なしで、そのうちよくなると言われますが、トイレのトレーニングも進みづらく困っています。腸に異常があるのではと心配です。
- (こと さん)
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今回は継続する軟便です。2〜3歳では排便が自立していないため、オムツに排便します。このため“いつもオムツについている便”が腸やそのほかの病気に依るものか、年齢が低いためにもらしてしまうのかが確認のポイントです。慢性の下痢をきたすものについて確認のポイントを述べたいと思います。
幼児期の慢性の下痢
2週間以上続く下痢を慢性下痢と言います。下痢の原因は多彩で細菌やウイルスの感染、寄生虫、腸の粘膜炎症性疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)、免疫疾患、膵臓疾患、胆管疾患など様々です。その他にも食物アレルギーや炭酸や果汁の取りすぎなどを原因とする慢性非特異性下痢症なども挙げられます。胃腸炎などに罹患した後に吸収不良を来し、下痢になることもあります。また、遺糞症(4歳以降で不適切な場所に排便することです。便のおもらしです)の場合に、オムツに便が付いていることが多いため、下痢に伴う便失禁と間違われることもあります。
一般的に、小児期は上記の慢性非特異性下痢症や胃腸炎後の吸収不良による下痢などが原因になることが多いです。下痢の際に確認していくこと
まずは身長や体重などの栄養状態を確認します。栄養状態に問題がなく、炭酸飲料や果汁を過剰に摂取している場合は慢性非特異性下痢症を考えます。果汁の取りすぎを控えたり、炭酸飲料を控えたりすることで改善が期待できます。
その他便に血液や粘液が混ざっていないかを評価します。これらがあると腸の炎症を考えます。また便自体を調べることで寄生虫の有無も確認できます。
次いで便の脂肪や電解質などを調べ、さらに原因が不明な時は内視鏡検査、ホルモン検査などと進んでいきます。今回の場合
病院で検査をして異常ないとのことですので初めの段階で行う検査は済んでいるかと思います。3歳という年齢ですと内視鏡やそれに伴う腸の粘膜の検査は体への負担が大きいため腸管疾患を疑うとき以外はなかなか行われないと思います。お子さんの発育に問題がない場合は上記のように食事の確認をしてください。飲料や果汁以外に、少なすぎる脂肪摂取もまた下痢の原因になりますので注意してください。
また、遺糞症を慢性の下痢と間違えてしまうことがあります。遺糞症の多くは便秘を伴っています。直腸や大腸に停滞している便がないかを確認してください。この場合はまず宿便を取り除き、食後に毎回トイレに行く、高繊維食を取り入れる、といったことで改善します。
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