子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

痰のからむ咳がよく出ます

時期
1ヶ月前
お子さんの年齢と性別
4歳6ヶ月・男の子
症状の詳細

朝晩に痰のからむ咳をよくしています。日中はほとんど出てないようなんですが、日によっては夜中にも咳をしています。他の症状は出ていないので、1週間位続く時は病院へ行って風邪薬をもらうんですが、しばらくするとまた咳が出だします。こういう場合は呼吸器科など専門の病院で診てもらった方がいいのでしょうか?

(りんご さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は長引く咳です。感染を繰り返すことで咳が続くように見えますが、朝晩の咳だと喘息の可能性も考えられます。その他アレルギーやある種の感染症、鼻や咽喉の疾患など耳鼻科的な問題があっても咳が長引きます。このような隠れた問題がないかどうかを確認してもらうために呼吸器科や総合病院など評価をしてもらえる病院を受診することをお勧めします。

繰り返す感冒

幼稚園・保育園年齢のお子さんは家から離れて集団生活になるため感染機会が増えます。このため集団生活の1-2年目は風邪を引くことが多く、軽症だけどいつも咳や鼻水が治りきらない、ということになります。特に第一子だと入園までに他のお子さんと接する機会が少なく、免疫ができていないため感冒の繰り返しが多くなります(第二子以降は、上のお子さんから感冒を移されることがあるため、自ずと感冒に対する抵抗力がついていることがあります)。このような時は咳が長引いているように感じられます。

咳が長引く感染症

マイコプラズマ感染症や百日咳、結核などは咳が長引く感染症の代表的な疾患です。これらの疾患ではレントゲンや血液検査などを行って診断を確定させるとともに、抗菌薬の投与が必要になります。家族を含めた周囲の人の症状の有無を確認し、病院で診断してもらうことが必要になります。

喘息

感染以外で小児期に咳が長引く代表的な疾患です。慢性の気道炎症があり、感染やアレルギー反応などをきっかけにして症状が出現します。典型的な症状は朝晩の咳き込みと喘鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイという呼吸音)です。

耳鼻科疾患

慢性化した副鼻腔炎や咽頭〜喉頭の疾患でも咳が遷延することがあります。この場合は耳鼻科を受診して鼻や咽喉の評価をしてもらう必要があります。慢性副鼻腔炎などがある場合は比較的長期間の内服が必要になります。

今回の場合

咳が長引く可能性の高いものを上記のようにいくつか挙げました。感冒を繰り返しているだけならば、いずれ免疫ができて感染しにくくなるため対症療法で問題ないと思います。しかしマイコプラズマのような感染症や喘息などはしっかりと診断し、治療が必要になります。朝晩の咳が多いようなので喘息の可能性があると思われます。呼吸器科にこだわる必要はありませんがレントゲンや血液検査ができる病院を受診することをお勧めします。

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