子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

偏食が多い息子、吐く回数が増えました

時期
最近
お子さんの年齢と性別
6歳・男の子
症状の詳細

小学1年生の息子の偏食と給食のことで悩んでおります。
息子は、野菜全般と果物が苦手なのですが、給食は手をつける前に減らすことは出来るようですが、嫌いなものは少しずつしか食べることができず、先生が食べさせてくれる際、気持ち悪くなり吐くことがあるようです。おぼんに敷くナプキンをその状態で持って帰ってきて、先日は、私に何も言わず自分で洗っている姿を見て切なくなりました。離乳食の際に、私が色々な食材を食べさせなかったために、このようなことになってしまい、とても後悔しています。担任の先生も、好き嫌いを克服させたいという思いで毎日接してくださっているのだとは思います。ですが、吐くまで食べなくてはいけない、5時間目の授業時間も食べ続けなければいけないというのは、今の息子にとって必要なのでしょうか。
吐いた際に胃酸が出ていると思いますが、体にとっても食道にも負担がかかると聞いたことがあります。週に2度くらい給食時に吐くこともあります。最近、以前よりも吐く回数が増えており、今後習慣化しないか、皆と食べることがトラウマとならないか心配です。

(悩みママ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は食事に関する問題です。偏食をなくし、何でも食べられるようになることは良いことですが、少々行き過ぎているように思えます。何より給食の時間が苦痛になっているように感じられます。学校と家庭で連絡を取り合って給食や家庭での食事のあり方や方針を打ち合わせたほうが良いと思います。また、栄養士さんなどを間に入れてみることも良いと思います。

食事と発育

食事の基本は様々な栄養をバランスよく摂取することです。これは食品ピラミッドなど様々なものがあるので参考にされると良いと思います。肉と穀物だけではバランスが良くないので、野菜や果物で食べられる物を少しずつでも摂るほうが良いと思います。
身長や体重が順調に伸びているか、極端な肥満や痩せ、低身長などを来していないかを家庭で確認してください。ちなみに7歳0カ月の標準体重は23.1kg(標準偏差が4.1kgなので14.9kg〜31.3kgの幅に9割以上のお子さんが入ります)で、標準の身長は119.6cm(標準偏差5.1cmなので109.4cm〜129.8cmに9割以上のお子さんが入ります)なので参考にしてください。

現在の状態

どのような様子で給食を食べているのか分かりませんが、嫌いな給食を無理やり食べさせられていることで嘔吐が誘発されており、心身症に近い状態と思われます。
学校では先生が食べさせてくれる、とありますが、先生が箸やスプーンを持ってお子さんの口に運ぶようでしたら逆効果になる可能性もあります。給食の時間が終わって、授業中まで食べていることも含めて、給食のあり方を見直してよいと思います。

食事の摂り方

楽しく食事をすることが基本です。一人で食事をさせず、周囲に気が散るようなものは最小限に抑えるようにします。また強制的に食べさせることはお勧めできません。時間もなるべく区切ったほうが良いでしょう。
偏食がある日突然なくなることはありません。食べられる物を地道に少しずつ増やしていくことになると思います。自宅でも無理やり食べさせることは逆効果になる可能性があります。料理のお手伝いなどをしてもらい食材に興味を持たせ、少しでも野菜や果物を口にすることが出来たら褒める、嫌いなものも小さくみじん切りにして好きなものに混ぜる、色々な方法があると思います。この時、家族が好き嫌いをしているのに、お子さんにだけ好き嫌いをしてはいけない、というようなダブルスタンダードには気を付けてください。

今回の場合

現在の給食は楽しい食事の時間ではなく、むしろ苦痛な時間になっている可能性があります。するとますます食事自体が嫌になってしまい悪循環 (食べさせられると吐いてしまう、吐いてしまうので食べない、食べないので食べさせられる) になります。
給食に対する学校と家庭の方針に関して一度話し合ってみてはいかがでしょうか。このとき学校と家庭の対立にならないようにしましょう。栄養士さんや臨床心理士さんなどを交えるとみんなで良い方法を考えよう、となりやすいと思います(お子さんに偏食なく楽しく食事をしてもらいたいという目的は一緒なのですから)。

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