子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

就寝時、足の裏や背中が熱くなり寝つけません

時期
2歳ごろ
お子さんの年齢と性別
3歳10カ月・女の子
症状の詳細

就寝時、眠くなるときに体が誰でも暖かくなると思うのですが...。
暖かくなるというのを通り超えて、足の裏や背中が熱くなって寝付けません。背中を丸出しにしてさすってあげるといくらか楽になるようで寝てくれます。背中はかゆみもあるようです。
就寝中も何度か熱いようで布団を蹴飛ばしパジャマをめくり上げてしまいます。(夜ぐっすり眠れるように、よく外で遊ばせています)
このままでも重大な問題はないのかもしれないのですが、体のどこかが悪いのでしょうか?
詳しく調べてもらえる病院はあるのでしょうか?

(よるくま さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は就寝時の体温上昇と寝付きの悪さです。程度には個人差がありますが、寝る前にお子さんの体が温かくなるのは自然の現象です。寝入るまでは足や背中を出していても良いと思います。眠ってから布団を静かに掛けてあげましょう。また、背中の痒みですが、温まると痒みが増すようなら抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤で痒みを少し抑えることを考えても良いと思います(これらの薬剤は眠気が出ます)。日中に眠気が出てしまうことがなければ重大な問題はないと思います。痒みに関しては掛かり付けの医師に相談してみてはいかがでしょうか。

体温の変動

体温は1日のなかで変化していきます。早朝の睡眠時に最も体温が下がり、朝食を摂ると体温が上昇していきます。その後夕方までに緩やかに体温は上昇し、夜間に体温が低下していきます。また、体温は熱の産生と放散によって一定になるように調節されています。運動やふるえ、基礎代謝などで熱を産生し、皮膚からの水分蒸発(不感蒸散、発汗)、放射、刺激伝導などで熱が放散されます。

睡眠と体温

体温が下がり始めると眠りに入りやすくなります。眠くなると赤ちゃんやお子さんの手足が温かくなりますが、これは体の内部の温度を下げるための放熱が始まるためです。入眠後しばらくの間は放熱が続き、汗をかくこともあります。この時の放熱による手足の温かさは個人差があり、あまり温度の変化を感じない方もいれば、しっかり温かくなる方もおります。

温度と痒み

じんましんやアトピー性皮膚炎のような場合、入浴や運動などの温熱刺激で症状が増強されることがあります。今回は体が熱くなって痒みが出るようなので、じんましんのような素因があることも考えられます。体の放熱に伴い痒みが出て寝付きが更に悪くなるようでしたら、抗ヒスタミン剤などを試すことも一案だと思います。

今回の場合

入眠時に手足が温かくなるのは正常な生理現象です。その程度は人それぞれなので暑がり方が強いときは足や背中を出して眠りに入っても良いと思います。ただ、夜間は外気温も低下し、体温も低下していきます。このため風邪などを引かないようにしっかり眠ってから布団などをかけるようにしてください。痒みに関しては前段の通りですが、寝入りが悪く、日中の眠気が気になるようでしたら寝る前の内服(上述の抗ヒスタミンなど)に関してかかりつけの医師に相談することをお勧めします。

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