抗生剤のデメリットについて心配しています
- 1週間前
- 1歳4ヶ月・男の子
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抗生剤の服用についての相談です。
息子はよく鼻風邪をひき、同時に気管支炎になります。就寝時、鼻水がのどにいくためか、咳き込みがひどくなり、寝られなかったり、咳き込みがひどく吐いてしまうこともあることから、小児科または耳鼻科を受診します。
その際、処方される薬の中に、いつも抗生物質があります。抗生物質は、たいていの風邪の原因であるウィルスには効かず細菌に効く、摂取しすぎると抗生物質に対する耐性がついてしまい、本当に必要な時に効かなくなるとのこと。また腸内の善玉菌もやっつけてしまう、とのこと。
毎回毎回、抗生物質を処方され、服用したくないのですが、これは仕方がないことなのでしょうか。
また、一度減った善玉菌は自力で増やせないと聞いたことがありますが、本当でしょうか。 - (くーわん さん)
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今回は気管支炎に対する抗生剤投与に関する質問です。急性気管支炎の9割はウイルス感染であり、抗生剤を必要としません。しかし、肺炎球菌やインフルエンザ菌といった細菌、クラミジアや一部のウイルス感染では抗生剤を必要とします。
従って、抗生剤を使用するかしないかは、その時の症状や地域の流行状況、診察の結果で判断がわかれます。一概に毎回必ず抗生剤を処方する必要はないので、受診した時に主治医の先生の考えと見通しを尋ねてみてはいかがでしょうか。気管支炎の原因と症状
気管支炎の多くはウイルス感染です。インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ライノウイルスなどが挙げられます。細菌感染では肺炎球菌、インフルエンザ菌(ウイルスとは別の細菌です)、またマイコプラスマやクラミジアなども感染の原因になります。
気管支炎は鼻汁や乾いた咳から始まり、その後発熱し、次第に湿った咳が出るようになります。1週間程度で症状は緩和されていきますが、2〜3週間ほどは咳が続くことがあります。気管支炎に対する治療と抗生剤
一般的なウイルス感染の場合は抗生剤を用いることなく、安静、加湿、去痰剤といった治療で軽快していきます。
しかし、先ほど申し上げた細菌類、一部のウイルスでは抗生剤を必要とします。例えば、マイコプラスマやクラミジア感染には抗生剤は必須ですし、ライノウイルスやRSウイルスでは抗生剤が感染を抑制するとも言われています。
また、一般的なウイルス感染であっても、症状が長く続くときや血液検査で炎症反応が強いときなどは、去痰作用や炎症を抑えるために抗生剤投与を考えてもいいでしょう。
しかし、いずれにしても漫然と抗生剤を投与することは勧められません。結局、抗生剤を使うかどうか、ということは想定される感染の原因に対する効果と副作用という不利益を秤にかけて使うことになります。
ちなみに、多数の気管支炎症例の解析をしたものでは、報告によって異なりますが、抗生剤の効果はないか、あっても限定的、とされています。今回の場合
質問にあったように、気管支炎の原因はウイルス感染のことが多く、その場合は抗生剤を必要としません。また、抗生剤を使ったからといって必ずしも早く治るわけでもありません。
マイコプラスマなど一部の感染による気管支炎の場合は抗生剤が有効なので、そのような想定で使われているのか主治医に尋ねてはいかがでしょうか。「念のために抗生剤を処方」という先生もいらっしゃいますが、個人的には賛同できません。
また抗生剤の乱用で耐性菌といった問題も出てきます。できるだけ使用基準を決めて使うことが望まれます。“腸内の善玉菌”ですが、腸の中の細菌は抗生剤によってダメージを受けますが、抗生剤を中止することによって自然に回復します。
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