息子の「頭の形」が最近気になってきました
- 気になりだしたのは最近
- 2歳9カ月・男の子
-
赤ちゃんの時から、頭の形が気になっています。髪の毛がしっかり生えている今でも、やはり変わらず頭の形がおかしいです。発達などには、今のところ問題なさそうです。3歳前ではもう治す手段はないんでしょうか…。
- (ゆう さん)
-
今回は、乳児期の頭の形に関する質問です。頭の変形は頭蓋骨癒合症の可能性がありますが、発達に異常がなく、発育や手足などにも異常がなければ、ほぼ「見た目」の問題に帰着することが多いです。3歳という年齢だと、(頭の)骨が固まってしまい自然に変形する(治る)ことは無理かもしれません。ただし、外科的な処置を行うことで、頭の形を改善する方法はあります。
頭の骨と縫合
頭は上から見ると4つの骨で構成されています。前の部分を前頭骨、後ろの部分を後頭骨と言います。また残った真ん中の部分が頭頂骨になります。頭頂骨は左右に分けられるため合計4つの骨になります。生まれた時はこれらの骨と骨の間に隙間があり結合組織や軟骨でつながっています。そしてこのつなぎ目
を縫合と言います。
これら縫合には名前がそれぞれ付いています。例えば、前頭骨と頭頂骨の間を冠状縫合、後頭骨と頭頂骨の間をラムダ縫合、頭頂骨の間を矢状縫合(頭のてっぺんを縦に通ります)と言います。
もちろん、このような専門的な骨の名前を覚える必要はありませんが、重要なのは「骨と骨の間には縫合がある」という事実です。頭蓋骨癒合症
頭蓋骨癒合症は上記縫合の早期癒合(閉鎖)ですが、ほとんどは原因不明です。ただ、結果として言えることは、早期癒合が1つの縫合だけならば、多くの場合発達に異常が出ません。2つ以上だと、水頭症などの合併症を来すことが多くあります。
従って、早期癒合が一つで発達に異常がないなら、外見の改善を図るために手術を行うことがあります。2つ以上の場合は、合併症等の検査、治療が優先になります。今回の場合
上記のように縫合が早期に癒合している場合、今後自然に頭の形がきれいな丸になることはないと思います。また、早期癒合でなかったとしても3歳ではこれから頭の形が大きく変わることはないと思います。
もし発達に異常が無く、変形によって外見上の問題が大きいならば、外科的に手術を考えても良いと思います。ただし、発達の問題や隠れた疾患がないことを確認して(まずは小児科で良いでしょう)、脳外科や形成外科と連携していくようにするのが良いかと思います。
- 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテの最新号がいち早く読める!
- ↓育児のまぐまぐ!の登録(無料)はこちら↓
- 全国のママさんが集まる場です。日々のちょっとした出来事を話したり、妊娠、出産、育児に関するアドバイスや励ましがもらえます。
Powered by ウィメンズパーク
-
- この記事に対するTrackBackのURL
-
- コメントはまだありません。