子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

足と手の皮が剥(む)けて、痒(かゆ)がる…足ムズムズ病?

時期
2か月前
お子さんの年齢と性別
1歳5カ月・女の子
症状の詳細

1歳5カ月の子供です。2か月前から手のひらと足の裏の皮が剥けだし、同時に痒がったので皮膚科を受診しました。アレルギーだと言われたり、“汗疱(かんぽう)”だと言われました。処方されたステロイド剤を塗っているうち、皮はほとんど全部剥けて痒そうな皮膚(赤みを伴うもの)ではなくなりましたが、眠くなると足の裏が気になるのか気持ち悪いのか、軽く掻(か)いたり触ったり、床に足をバンバン叩きつけたりします。眠ってもずっと触っています。

もしかしてアレルギーや汗ぱんではなく、「足ムズムズ病」とか?子供の「足ムズムズ病」ってありますか?足の裏を触るとすごく熱いです。このままステロイドを塗り続けるべきか(眠れないときは処方された飲み薬も飲んでいました。この薬も飲み続けるべきか)悩んでいます。

(とりさん さん)
  • このエントリーをYahoo!ブックマークに追加
  • はてなブックマークに登録はてなブックマークに登録
  • Buzzurlにブックマーク
  • [clip!]
ユンタ先生からの回答

今回は手足の皮膚の問題です。まず足の動きですが、質問にあるような足の動きならば足ムズムズ病の可能性は低いと思います。足を掻いたり打ちつけたりする行為は、痒みが原因と考えられます。このことを考えると内服の継続は続けても良いのではないでしょうか。また、皮膚の状態が改善しているならばステロイドの使用は見直しても良いと思います。

手や足の痒み

手や足の痒みを来すものは質問にあった汗疱やアレルギーの他に、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎(どちらも広い意味ではアレルギーになります)、水虫などの感染があります。

汗疱とは

発汗異常性湿疹や異汗腺湿疹などと呼ばれることもあります。手と足に出現する水疱性の疾患で、原因はまだ良く分かっていません。季節性があり春から夏にかけて出現し、乳幼児に多く見られます。痒みが強く、小水疱が集まって再発を繰り返すことがあります。

治療はステロイド軟膏の使用になります。手足を掻くことで二次感染を起こすことがあるので、痒みを抑えるために抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。

睡眠時の足の熱感

ヒトの体温は朝起きた時は低く、午後から夕方にかけて高くなります。そして夜に眠るときは再び体温が下がります。このため、眠る前は体温を下げるために熱の放出を行います。子供が寝る前に手足が温かくなるのは、この放熱が行われているためです。蕁麻疹(じんましん)やアレルギー、その他痒みを伴う皮膚疾患では温まると痒みを誘発する傾向があります。今回足を掻いたり動かしたりすることは、放熱のために足が温かくなり、その結果痒みが誘発されたものと考えられます。

今回の場合

汗疱やアレルギーによるものならばステロイドは有効な治療になります。いつまで続けるかといったことは皮膚の状態をみて判断することになります。このため受診してどこまで良くなったら軟膏を中止するのか、良くなった後の皮膚のケアはどうするのかなどを確認すると良いでしょう。

どのような皮膚疾患でも掻くことで悪化します。皮膚が治りきっていないならば、痒みを抑えるために内服薬を使うことは有効だと考えられます。

小児科医ユンタ先生のすこやかカルテの最新号がいち早く読める!
メールアドレス 規約に同意して
トラックバック

トラックバックはまだありません。

この記事に対するTrackBackのURL
コメント
  • コメントはまだありません。
name
E-mail
URL
画像のアルファベット
comment