排尿の切れが悪い娘…「低身長」と関係あり?
- 小学4年生から
- 12歳5カ月・女の子
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小学4年生の4月ころから、排尿の際に一度で出きらない、切れが悪く、トイレに時間がかかるという状態が続いています。友達との関係もあまりうまくいかなくなってきた時期で、しばらく様子をみていました。友達関係もよくなり、学校生活を楽しく過ごせるようになったのは、6年の2学期以降だったと思います。卒業後に転居しました。一人っ子で、性格は、明るく元気、感受性が強い、完璧主義、心配性などです。便秘症もあり、酸化マグネシウムの錠剤を小5の時から週3回くらい飲んでいます。体格も小柄でここ2年の身長の伸びは4センチです。小児科で、泌尿器科での診察を勧められたこともありますが、女児だし、どんな診察をするのか不安で行った事はありません。私は身長が今後格段に伸びたときに、全てが解決するような気がするのですが、それを待たずにすぐに病院に診てもらったほうがいいでしょうか?
- (オスカル さん)
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今回は排尿に関する質問です。3年前から症状が出ているため、機能的な排尿障害(後述)と考えられます。時間の経過で良くなることが多いのですが、少なくとも検尿や超音波(エコー)検査などは調べたほうが良いと思います。
身長に関しても、現在の身長やこれまでの発育歴が不明のため確定的なことは言えませんが、低身長などの問題がないか、受診されることをお勧めします。器質的排尿障害と機能的排尿障害
排尿障害は、畜尿や排尿に関する障害の総称です。
その症状としては排尿回数が多い、尿路感染症を繰り返す、夜尿症が続く、尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかるなどが挙げられ、その原因としては器質的排尿障害と機能的排尿障害があります。
器質的排尿障害とは、腎臓や尿路、膀胱(ぼうこう)、脊椎(せきつい)などに疾患(しっかん)があり、その結果として排尿障害を来すものです。
機能的排尿障害とは、上記のような器質的な異常を伴わない排尿障害です。
中枢神経機能や内分泌機能などの未熟性、心理的な問題などが原因の多くを占めます。便秘を伴うことも多く、便秘の改善が排尿障害の改善に寄与することもあります。逆に、排尿障害があると便秘を誘導してしまうこともあります。排尿障害に伴う検査
いつから、どのような排尿障害があるかによって行う検査は変わってきますが、病歴の詳細な聴取や診察、検尿、血液検査、超音波(エコー)検査などはほぼ全員に共通して行われます。
その他に膀胱造影(膀胱の形態や膀胱尿管逆流の有無、残尿の有無などの評価)、腎シンチグラム(腎臓の萎縮や形態の評価などに使用)、膀胱内圧測定などの検査がありますが、これらの検査はお子さんにも負担がかかります。このため、まずは検尿やエコーなど上記の検査が行われ、追加の検査が必要か判断されます。身長の増加について
女児は小学校高学年から中学生にかけて身長が大きく伸びます。
標準的な体格の女児の場合、10歳から12歳の2年間で10cm以上身長が伸びます。2年間で4cmの身長の伸びは少ないと思われます。現在の身長が139.7cm以下ならば低身長です。
参考:
10歳5カ月:身長139.7cm(標準偏差6.7cm)
12歳5カ月:身長151.7cm(標準偏差6.0cm)今回の場合
機能性排尿障害の場合、時間の経過で改善することがあります。しかし、腎臓や膀胱などに問題がないことを確認するためにも一度受診をすることをお勧めします。
通常、上記のような血液検査、検尿、超音波(エコー)がまずは行われると思います。また、便秘自体が排尿障害の原因となることがあります。かかりつけの病院で便秘の解消に関してもよくご相談ください。
身長が格段に伸びれば、とありますが、現在の身長増加率は低いです。単なる奥手(おくて。晩生、晩熟とも書きます)なら良いのですが、低身長の問題がないか確認してください。
心理的な要因が関与しているのかもしれませんが、上記のことを確認するためにも受診することをお勧めします。受診時期ですが、身長が伸びるのを待たずに受診したほうが良いと思います。
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