子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

包茎施術のデメリットについて教えて

お子さんの年齢と性別
15歳・男の子
症状の詳細

女手一つで息子を育ててますが、やはり包茎の事がわかりません。私は、手術した方がいいと思うのですが、何かデメリットはありますか?

(わき さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は包茎に関する質問です。思春期を過ぎても包茎(真性包茎)の場合は手術も選択肢になります。手術方法としては包皮(ペニスの皮の部分)を切除する環状切除術や背面切開術、包皮口拡大術などがあります。どの方法を選択するかは個々の状態によりますが環状切除術では常時亀頭が露出した状態になります。背面切開術では包皮のむくみがとれにくく、外観が悪くなることがあります。包皮口拡大術は包皮を広げる手術なので、即包茎の解消につながらないかも知れません。包茎の程度によっては手術でなく少しずつ包皮をめくりながらステロイド軟膏を使う方法(保存的治療)がとられることもあります。
いずれにしても、すぐに手術と考えずに泌尿器科を受診して相談されることをお勧めします。

包茎とは

包皮(ペニスの皮)を剥いたときに、包皮口が狭くて亀頭を露出させることが出来ないものを真性包茎と言います。これに対して剥くことで亀頭を露出させることが出来るものを仮性包茎と言います。
真性包茎の割合は乳児で80%、幼児は60%、小学校低学年では40%、高学年では20%です。中学生の場合、思春期前は10%、思春期後は5%以下となります。

包茎で起きる問題点と手術を考える場合

1.排尿障害
包皮口が極端に狭いと尿線が細くなります。その際包皮と亀頭の間に尿が溜まり包皮が風船のように膨らむことがあります。このことで尿が四方に飛び散ります。また亀頭と包皮の間に尿が残った状態となり下着が尿で濡れてしまうことがあります。

2.感染の反復
亀頭包皮炎や尿道膀胱炎の原因となることがあります。症状は亀頭の疼痛や発赤・腫脹などが挙げられます。抗生剤が必要になることがあります。

3.嵌頓(かんとん)包茎
包皮口から亀頭が出てしまい、元に戻らなくなった状態を指します。亀頭を無理に露出させようとしたときに起こりやすいです。時間がたつほど亀頭が締め付けられてむくんでしまい戻りにくくなります。ときに緊急手術が必要になることがあります。

上記のような問題がある時は手術を行うことが多いです。また、思春期で真性包茎のときも手術の検討が行われます。

今回の場合

包茎が真性なのか仮性なのか、包皮口の大きさはどの程度なのかといったことを踏まえて手術を行うのか、それとも保存的治療(上述)を行うのかが決定されます。包茎であること、手術を行うことで本人にも様々な葛藤が生じると思います。手術を行うことで包茎が解消されても陰茎自体の審美的な問題が生じる可能性もあります。泌尿器科を受診して現在の陰茎の評価を行ってもらうことが第一だと思います。

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