水疱瘡のワクチン接種について
- 4歳4カ月・男の子
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水疱瘡についてです。1歳の時に水痘ワクチンを接種しました。3カ月前に10カ所ほど発疹が出て、その内の2つ位は水を持っていました。私とママさん薬剤師は「これ水疱瘡なんじゃないの?」と思ったのですが、小児科医は「水疱瘡かどうか不明だが、必要なら水疱瘡の診断書書くよ!」との事。結局、何の病気か不明のまま治ったのですが、気になるので1カ月後に抗体検査をしました。結果はEIA値2.2、判定+-でした。ん?これって、この前のは水疱瘡ではなく、かつ予防接種の効果なしって事ですよねぇ?そして、1カ月程前から幼稚園の同じバス内で水疱瘡が大流行しているにもかかわらず、うちの子はもらって来ないのです。EIA値が2.2でも、予防接種をしてると感染しづらいのでしょうか?また、小学校にあがるまでに感染しなかったら、もう一度予防接種を受けた方が良いのでしょうか?二度予防接種をすれば、抗体が付くのでしょうか?
- (mutty さん)
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今回は水痘ワクチンに関連する質問です。水痘ワクチンは予防率が約8割とやや低く、ワクチンを接種しても感染してしまうことがあります。しかしその場合の症状は一般に軽症なことが多いと言われています。
またアメリカでは水痘ワクチンの2回接種が行われています(1歳と4−6歳の2回)。現在の日本では1回接種ですが、2回目の接種をすることは可能だと思います(抗体価も低めなので個人的には2回目の接種をお勧めします)。もし接種するならば5歳以降と考えますが、前回の診断、検査の結果を含めてかかりつけの先生と相談することをお勧めします。ちなみに今回の発疹が水痘かどうか、という点に関しては不明です。水痘とは
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に感染して発症する疾患が水痘で、このウイルスが再度活動すると帯状疱疹を発症します。水痘は全身の水疱が特徴的で潜伏期間は2週間前後です。水疱は通常痒みを伴い、手足よりも体や頭部、顔面などに出来ることが多いです。一般に、水疱の数が多いほど重症と考えて良いでしょう。
治療は抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の内服になります。2−5歳の健康な小児では抗ウイルス薬を服薬しなくてもよいとする意見もあります。水痘ワクチン
ワクチンを接種しても2割近くの人は水痘に罹患してしまうことがあります。しかし、ワクチンを接種していると水痘を発症しても軽症で済むことがほとんどです。また、年月の経過により抗体のレベルは徐々に減少しますが、水痘を発症しているひとと接触があると免疫が活性化されて抗体レベルが上昇します。今回の発疹が、水痘が軽症で済んだものなのか、水痘以外の発疹だったのかは不明です(後日行われた検査で抗体価が2.2という点を考慮すると後者の可能性が高そうですが)。
ちなみに現在の日本では水痘ワクチンは1回接種ですがアメリカでは2回接種が行われています。今回の場合
最初の発疹が水痘かどうかに関しては不明(上述)ですが、現在水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体価2.2 (EIAは検査方法です)は、抗体はあるけど弱い、という状態です。
これは推測になりますが、以前の予防接種で抗体はできたけれども抗体が減少してきていると考えられます。もしもう一度調べたら、今回の水痘流行でお子さんの抗体価が上昇している可能性もあります。しかし、たとえ水痘に罹患していたとしてもワクチンの副反応が増強してしまうことはなく、上述のようにアメリカでは2回接種が行われていることを考えても、もう一度ワクチンを接種しても良いと考えます。現在の日本では水痘ワクチンは1回接種であるため、接種をするにはかかりつけの先生と相談されることをお勧めします。
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