子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

首のぐりぐりが気になるのですが

時期
7カ月前
お子さんの年齢と性別
6歳8カ月・男の子
症状の詳細

去年の7月に左頸部のぐりぐりを発見しました。とくに痛みもなくただのできものだと思っていたのですが、お正月に親戚が集まりその部分の目立ちを指摘され、近くの小児科を受診しました。「リンパにしては皮下にあるのでちがうだろうが感染していないので特に何もしなくてもいいのでは?もし気になるようなら皮膚科で局所麻酔で切開してもらえばいい」との診断でした。襟足のすぐしたで楕円形で1センチ強ぐらいで触ると硬くぐりぐり動きます。本人はいたって元気で発熱は去年の3月、12月に1日だけ高熱をだしただけです。ネットで調べてみたのですが粉瘤にしては黒い口もなく、てっきりリンパだと思ったのですが…。再度大きい病院で診てもらったほうがよいのでしょうか?

(ちるるん さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は頚部のしこりに関する質問です。ここで断定することはできませんが、首のしこりはリンパ節のように思われます。半年以上前からしこりの様子が変わっていなければ、そのまま経過を診て良さそうに思われます。すぐに切開する必要はなさそうですし、検査をするとしても超音波(エコー)や血液検査などを(切開より)先にすれば良いでしょう。受診するなら、超音波が可能な規模の病院が良いと思います。

リンパ節と首のしこり

リンパ節は全身にあり、感染防御の一翼を担っています。頚部や腋窩(脇の下)、鼠径部(股の付け根)のリンパ節は体の外から触れることが出来ます。頚部と腋窩は1cm、鼠径部では1.5cm程度までは正常範囲と考えられています。今回は正常上限くらいの大きさだと思います。
首に出来るしこりはリンパ節以外では膿疱や胸鎖乳突筋の腫瘤、甲状腺腫などが挙げられます。腫瘍によるリンパ節の腫大では硬くて皮膚や皮下組織に癒着して動きません。

リンパ節の生検を考えるとき

原因不明の発熱が続いたり、体重減少を来したり、リンパ節が硬く周囲の組織と癒着しているような時はリンパ節の生検を考える必要があります。また、リンパ節がどんどん大きくなってくるときや合併する症状が出てきた時も生検を考える必要があります。

今回の場合

まずは首のしこりがリンパ節かどうかということが問題になります。リンパ節ならばほとんど正常範囲の大きさであり、特別症状もなさそうなのでそのまま経過観察で良いと思われます。
他の物を考えるとしても、生検のようなお子さんへの負担の大きい検査ではなく、まずは超音波(エコー)や血液検査など負担の少ない検査から行っても良いと思います。受診をするならばこのような検査が可能な規模の病院が良いでしょう。

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