思春期早発症の疑いがある娘
- 4歳6カ月・女の子
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10日ほど前に娘が「おっぱいが痛いんだけど…」と言ってきました。見てみると右の乳首だけが少しピンク色。触ってみると乳首の下にしこりのようなものがありました。触ると痛がり、1週間くらいしても変化がないのでかかりつけの小児科を受診しました。
お医者様によると、思春期早発症の疑いがあるとのことでした。いろいろ説明を受けたのですが、難しい話も多く…。とりあえずはもう少し経過を見ましょうということで、子どもの身長と体重の変化をグラフに付けるように言われました。
娘は3680グラムで産まれ、周りの子よりもずっと大きめの子どもでした。大きめでしたがいつも標準の上の範囲内におさまっていると思っていたのですが、グラフにしてみると、ここ1年くらいは+2SDの線も越えている…、ということがわかりました。
とりあえず2〜3カ月経過を見てみましょうということでしたが、本当に思春期早発症の可能性があるのでしょうか?今は見守るしかないのでしょうか?お医者様の話では、女の子の場合、ほとんどは一時的なものであることが多いとのことでしたが…。アドバイスをお願いいたします。
- (みーママ さん)
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今回は思春期早発症の疑いに関連する質問です。乳房の発育や身長が標準の+2SDを超えているなど、思春期早発症が疑われます。乳房発育など一時的なこともあるため経過を見ていく必要がありますが、骨年齢(後述)などの結果次第では詳しい内分泌的な検索が必要になるかもしれません。女児に多い特発性の中枢性思春期早発症は一刻を争うようなものではありませんが、疑いがあるときは定期的な観察が必要になります。今回は女児の中枢性思春期早発症の説明で分かりにくいと思われる部分を解説します。
思春期早発症とは
思春期早発症とは二次性徴が通常よりも早く来てしまうことです。女児の主症状は、7歳6カ月未満で乳房の発育が起きる、8歳未満で陰毛や腋毛が生える、または9歳未満で初潮を迎えるといったことになります。
副症状としては、身長の増加(一時的)や骨年齢の増加が挙げられます。
検査をすると下垂体ゴナドトロピン(下垂体から出てくるホルモンです)や性ステロイドホルモンの分泌が増えます。骨の成長と骨年齢
背が伸びたり、手足が伸びたりすることは骨が伸びることでもあります。骨は全体が伸びるのではなく、端の部分が伸びることによって長くなります。骨が伸びる端の部分を骨端線といい、骨の成長の起点になる部分を骨端核と言います。思春期を過ぎて身長が伸びなくなると骨端核が無くなり骨端線が閉鎖した、と言います。
骨年齢とは、骨の成熟をみるための指標です。具体的には手をレントゲンに撮って、骨の成熟具合を評価します。この時に骨端核や骨端線を標準と比較して何歳相当の成熟度合いかを評価します。たとえば標準の5歳のお子さんと同程度の骨の成熟具合なら骨年齢5歳と言います。
生まれてからの経過年数を暦年齢(要するに普段使う年齢のことです)と言い、骨の成熟を骨年齢と言い、通常ほとんど一致するのですが思春期早発症があると骨の成熟が進んでいるため暦年齢に比べて骨年齢のほうが高くなります。逆に、思春期遅発症などでは骨年齢が遅れます。思春期早発症で何が問題になるのか
陰毛や腋毛などが早期に生えてしまい、精神的、社会的に負担がかかることがあります。そして実際の年齢(暦年齢)よりも骨年齢が進んでいるため、身長の伸びが早くなり一時的に高身長になりますが、その分骨端線が早く閉鎖してしまい身長の伸びる期間が短いため、最終的には(両親の身長から予測される身長よりも)背が低くなります。
今回の場合
胸のしこりが本当に乳房発育ならば、身長も高いようですし思春期早発症の可能性を考える必要があります。この場合は骨年齢や下垂体ゴナドトロピンなどの評価が必要になります。いずれにしても定期的なフォローが必要になります。自宅では今までの身長・体重をグラフに付けたり乳房の様子や陰毛・腋毛が生えてこないかなど観察するようにしてください。
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