子供の病気に関するお悩みに、現役医学博士の小児科医ユンタ先生がお答えします。

今回は継続する鼻出血に関する質問です。すぐに止血されるときは問題のないことがほとんどですが、アレルギー性鼻炎や鼻中隔彎曲、血液の病気などでも鼻出血がでます。鼻出血が反復しているので、もう一度確認のために受診をお勧めします。

鼻出血の原因

鼻の奥には、キーゼルバッハと呼ばれる細い血管が集まっている場所があります。鼻出血の多くはこのキーゼルバッハにある血管を傷つけてしまうことが原因です。
アレルギー性鼻炎や上気道炎のように、鼻に関連する疾患があると鼻をこすってしまい、その結果キーゼルバッハを傷つけて鼻出血を起こします。
一旦鼻出血を起こすと、出血した鼻の奥の血管の周りがカサブタのようになります。このため鼻を掻きやすく、そして傷つきやすい状態であるため一週間程度は出血しやすい状態になります。
その他に血小板減少や血液凝固機能異常などの血液疾患も鼻出血の原因になります。
しかし、このような原因が特定できることは少なく、多くは原因不明です。

鼻出血の止め方

鼻翼（鼻の穴の膨らんだ部分）をしっかりと挟んで抑えます。流れ出る血液を拭うことは必要ですが、ティッシュを奥に詰めたりすると逆に鼻の粘膜を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。また頭を上げると血液が喉に落ち込んでしまうため、前かがみになって止血するようにします。強く圧迫する必要があるため、小さな子供の場合は親が押さえたほうがよいでしょう。

受診が必要な時

上記のような正しい止血方法を行っても、止血までに30分以上かかるときは受診が必要です。また鼻出血を一度起こすと１週間くらいは出血しやすい状態になりますが、その後も鼻出血を繰り返すときは受診が必要になります。

今回の場合

鼻出血の間隔が広がっているようなので問題はなさそうですが、鼻出血を反復しているので一度受診をして問題はないかを確認すると良いでしょう。また、出血が止まりにくい、足などに紫斑や点状出血などがあるようでしたら血液検査が必要になるので家庭でも観察をするようにしてください。