子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

逆さまつ毛について

時期
4歳のとき
お子さんの年齢と性別
8歳10カ月・女の子
症状の詳細

4歳のときに近くの眼科で逆さまつ毛を指摘され、1年ごとに診察してもらっておりましたが、7歳のときに一度大きい病院で見てもらったほうが良いといわれました。大学病院では3人の先生に診ていただいたのですが、手術が必要だと言われました。両目、上下のまつげが眼球に常にあたっているということです。特に下がキツイようです。時々目やには出ますが、痛みも無く、視力も落ちていませんので、いそがなくてもと来年の春休みを希望しましたが、8月の夏休み中に、といわれました。常に眼球に当たっているのは、そんなに悪いのでしょうか?

(りりこ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は「逆さまつ毛」に関する質問です。逆さまつ毛が続いていると角膜を傷つけて角膜潰瘍の原因になることがあります。また結膜炎や眼脂、乱視の原因になることもあります。2歳ごろまでは自然治癒が期待できますが、すでに8歳なので手術を検討する時期だと思います。現在問題がないようにみえても、角膜を障害する可能性が常にあるので、手術時期は特別な理由でもない限り早い方がいいと思います。

逆さまつ毛とは

まつ毛が眼球のほうを向いて生えてしまい、日常的に眼球にまつ毛が触れてしまう状態を逆さまつ毛と言います。小児場合、両側下眼瞼に多く見られます。まつ毛の向きが乱れて生えていることもありますが、眼瞼贅皮(眼瞼の皮が余っている状態で目の縁の内側が皮膚の皺で見えなくなります)によるものが多く2歳ごろまでに自然治癒する傾向があります。
しかし、一方で眼瞼贅皮でなく、先天的に眼瞼が内側をむいてしまっている状態(眼瞼内反)の場合もあり注意が必要です。

逆さまつ毛による症状

眼球にまつ毛が当るため、結膜炎を起こしやすく流涙や眼脂が出やすくなります。症状が強いときは異物感や羞明(しゅうめい:眩しがることです)を訴えることもあります。そして眼球が常に押されているような状態になっているため乱視の原因になることもあります。
見た目としては眼球の充血が見られることもあります。角膜が強く障害されると角膜潰瘍を起こして角膜が混濁することもあります。角膜が障害された時は緊急入院が必要になることもあります。
しかし、小児はまつ毛が柔らかいので成人に比べて一般的に重症度は低いようです。

今回の場合

すでに逆さまつ毛と言われており、上記ようにすでに自然軽快する時期も過ぎています。一秒一刻を争うようなことはありませんが、目に与える影響を考えると手術時期を引き延ばす理由もあまりないと思います。学校や家族の仕事などもあると思いますので、もう一度主治医と話し合って検討されてはいかがでしょうか。

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