子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

突然歩けなくなってしまった息子

お子さんの年齢と性別
2歳10カ月・男の子
症状の詳細

先日、息子が急に歩けなくなってしまいました。
5日前甥っ子、姪っ子とかなりハッスルして遊びました。少し高い所からジャンプしたりと楽しく遊んでいる様子でした。翌日息子が目を覚ますと「足が痛い〜」と言って立ち上がろうとしません。ダダをこねていると思っていましたが、いつまで経っても立ち上がれずにいたので、念のため救急病院で受診しました。その時は、息子は足の腫れも無く、足首、膝など足を触っても痛がりはしません。先生も原因は今のところ解からないとのことでした。週明けに専門の整形外科を受診する事を勧められその日は帰宅しました。その後整形外科も受診しましたが見解は同じでした。一週間しても立ち上がらない様ならもう一度来てくださいとの事で現在に至ります。
保育園で同じ様な症状のお子さんが手術をし、障害が残ってしまった事例もあったそうです。今現在の状況は発症時とずっと変わらないですが、今後の息子の事が心配です。どんな小さな事でも構いません。アドバイス戴ければ幸いです。

(ナオコウファーザー さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は突然歩行が出来なくなってしまったことに関する質問です。激しい動きの翌日に歩けなくなったことを考えると、関節や脊髄下部の損傷の可能性などが考えられます。その他にもギラン・バレー症候群のような神経炎や髄膜炎など感染性疾患、急性散在性脳脊髄炎といった頭の疾患の可能性も考える必要があります。

麻痺を起こす疾患

歩けなくなる原因は多岐にわたります。関節や脊髄などの物理的な損傷によるもの、前脊髄動脈症候群のような脊髄の血管の疾患によるもの、ウイルスなどの感染が関与した疾患によるもの、血管炎やカリウムなどの電解質異常によるもの、さらには腫瘍による脊髄の圧迫や心理的な問題によるもの等々、様々な原因があります。今回の場合は、症状が一晩で出ており、そのまま続いているので詳しい原因を調べる必要があります。

原因腱索のための検査

原因疾患が多岐にわたるため様々な検査が必要になります。全身の評価として診察や腱反射、血液検査は必須項目です。足が脱力しているのか、突っ張ってしまっているのかによっても変わってきます。また骨や関節の評価ではレントゲンを行います。脊髄や頭の評価をするためにはMRIやCTを行います。このような画像検査では造影剤を使って撮影することが必要になることも多いです。
ギラン・バレー症候群や髄膜炎などを調べるためには髄液検査が必須になります。
その他にも筋肉の疾患を疑うときは、筋生検が必要になることもあります。

今回の場合

症状が突然出ているので、脊髄の損傷やギラン・バレー症候群、前脊髄動脈疾患などが候補になりますが、断定できるものではありません。また、すぐに診断がつかないことも多く、絞り込みを行いながら診断と治療を進めていくようなケースも稀ではありません。
まずは原因検索のために受診を行い、必要があれば二次病院、三次病院への紹介をしてもらうようにしましょう。整形外科だけでなく、小児神経疾患を扱っているような病院の受診も必要かもしれません。

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