子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

小さな頃からつま先立ちをする癖がある息子

時期
3歳ごろ
お子さんの年齢と性別
6歳7カ月・男の子
症状の詳細

小さな頃からずっとつま先立ちをする癖があります。私たちと話すときや立って遊んでいるときにそうなります。特に高いところを見ているわけでもないのにいつも背伸びをしています。もちろんそのときはしっかり立てず、ふらふらしています。かかとをつけて立たせると、おしりを突き出すようなかっこうになってしまい、痛いと言います。歩くときもかかとをつけずに歩き、足が前に出ず、つんのめるように歩きます。走るときは普通です。いつも注意するのですが、すぐに元に戻ってしまいます。
インターネットで検索すると、「自閉症」や「筋ジストロフィー」などという病名が出てきて不安になります。ちなみに、自閉症のほかの症状(例えばかんしゃくを起こすとかこだわりが強いなど)は見られません。
私たちは現在海外に住んでおり、英語もうまく話せないので、受診するのをためらっています。単なる「くせ」で、年齢とともに治るものなのでしょうか。それとも手術などが必要な病気なのでしょうか。

(Key さん)
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ユンタ先生からの回答

今回はつま先立ちを日常的にしているお子さんに関する質問です。つま先歩きの一般的な原因としては神経・筋肉の疾患、アキレス腱の拘縮などがあります。また、単純につま先歩きの習慣がついてしまっている、ということもあります。3歳ぐらいまでのお子さんでしたら正常であることが多いのですが、現在6歳であり一度受診して診察してもらう必要があります。

つま先歩行

3歳ごろまでは、つま先歩行をしていても即異常とは言えません。しかし3歳を過ぎてもつま先歩行が続いたり、年齢が進んでからつま先歩行になったりするような場合は、しっかり受診して評価した方がよいでしょう。
その結果、脳性麻痺や筋ジストロフィー、二分脊椎のような脊髄異常など神経・筋肉の障害によるもの、アキレス腱の拘縮のように局所の問題、つま先歩きの習慣化など、その原因が判別するかと思います。

脳性麻痺、筋ジストロフィー

脳性麻痺とは新生児期までの間に生じた脳の病変に基づく運動や姿勢の異常で、通常2歳までに症状が現れます。筋緊張の亢進や麻痺などを伴うことが多く、不随意運動を伴うこともあります。また四肢の硬さ(動かしにくさ)が出ることもあります。
筋ジストロフィーは進行性に筋力が低下していく疾患です(細かい分類はありますが)。下肢やその周辺の筋力低下があるとGowers徴候と言われる特徴的な立ち上がり方が見られます。このGowers徴候とは、筋力の低下のため、立ち上がる時に床や膝に手をついて、上肢の力も使って立ち上がる立ち方です。

今回の場合

今回は走る時は普通に走れるようなので習慣によるつま先歩きかもしれません。しかし、6歳のお子さんで、つま先歩きが続いているので、診察が必要と考えます。言葉の問題はあるかも知れませんが、一度小児神経と整形外科を受診することをお勧めします。

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