子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

アレルギー性鼻炎で夜も眠れない娘、家でできる対処法は?

時期
2年ほど前から
お子さんの年齢と性別
4歳10カ月・女の子
症状の詳細

娘がアレルギー性鼻炎と診断され、鼻閉がとてもすごく、いつも口呼吸です。
最近はまた症状が強くなり、2年ほど小児科、耳鼻科に通っていますが改善されません。夜中は眠れてないです。クスリはオノン、ルリッド、点鼻のメゾネックスを使用しています。
起きていてもいびきがでます。本人も苦しいと言っていて、どうしたらよいのかわかりません。アドバイスお願いします。

(めすむ さん)
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ユンタ先生からの回答

今回はアレルギー性鼻炎に関する質問です。
薬をしっかり使うことと、アレルゲン(ダニやハウスダスト、花粉などアレルギー反応の原因となる物質のことです)の除去がアレルギー性鼻炎に対する治療の主眼になります。
今回は家庭で行うアレルゲン除去の実際について述べたいと思います。

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、鼻粘膜におけるアレルギー反応で発作性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉が主な症状になります。症状の出方によって、くしゃみ・鼻水型と鼻閉型に分けられます(両者が同程度に出るものもあります)。治療の基本は薬物療法と抗原除去になります(小学生以上では、鼻の状態によって手術が選択肢になってきますが、今回は4歳であり省略します)。
今回は、すでに重症になった小児に用いる点鼻ステロイド(メゾネックスとありますが、おそらくナゾネックスというステロイドを思われます)とオノンが処方され、アレルギー性鼻炎に合併することの多い副鼻腔炎に対する抗生剤(ルリッド)も処方されております。まずはしっかりと薬を使うことが重要です。それでも鼻閉が強い場合は、受診して鼻の処置(鼻水の吸引など)をしてから薬を使ってみてください。鼻の処置により、粘膜に薬剤が届きやすくなりますので。

自宅での抗原除去

アレルギー性鼻炎の原因の大部分は、ダニ、花粉、真菌(カビです)の吸引です。
ダニは湿度が高いと繁殖するので、湿室は20〜25℃、湿度は50%程度を維持するように努めます。ソファーやカーペットは出来るだけ使わないようにします。
そして掃除ですが、掃除機は1畳当たり30秒程度の時間をかけ、ゆっくり行います。週に2回以上行うことが勧められます。可能なら布団を干す(花粉のこともありますし今の時期なら布団乾燥機の使用ですね)こと、カバーはダニを通さないものを使うこともお勧めです。
花粉に関しては花粉情報に注意を払い、できればマスクやメガネを使います。家の中に花粉を持ち込まないために、毛織物のような衣類はなるべく控え、帰宅時は衣類や髪をよく掃うようにします。花粉の多いときは窓の開閉は短時間にし、洗濯物の外干しをしないようにします。
ペットは飼わないことが理想的ですが、すでにいるときはなるべく屋外飼い、可能な限り子供部屋とペットのいる場所を分けるようにします。

今回の場合

重症な鼻閉型のアレルギー性鼻炎で、すでにステロイド点鼻など十分な治療が行われているようです。点鼻は処置後が有効なこともあるので、受診時に相談してください。
家庭で出来る抗原除去は上記のようになりますが、難しい面もあると思います。無理のない範囲で心がけていただければ、と思います。
小児のアレルギー性鼻炎は長期間にわたることが多いので、根気よく続けることが必要です。

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