子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

運動中、心臓が痛いといって過呼吸に。何かの病気でしょうか?

時期
1年位前から
お子さんの年齢と性別
12歳3カ月・女の子
症状の詳細

小学6年生の娘が本日の体育のサッカー中、心臓が握られているように痛くなり、過呼吸を起こしました。体の硬直もありました。走ったりした後に心臓が痛いと言い出したのは約1年位前からですが、少し休むと良くなるそうなのでそこまで気にしていませんでした。内科に連れて行きましたが、レントゲンと心電図は異常なしでした。帰宅後、話してるだけで息切れをして、脈がすごく早くなりました。最近、顔が赤いのも気になります。たまに物が二重に見えるみたいです。心臓に何かあるのでしょうか?大きい病院に行ってしっかり検査してもらった方がいいのでしょうか?行くなら何科を受診したらいいのでしょうか?春休みにディズニーランドに行く予定ですが、ジェットコースターは乗せても大丈夫でしょうか?
家族構成は、私(母)35歳、15歳の娘、12歳の娘の3人家族です。娘は野菜があまり好きではなく、お肉が好きで味も濃い目が好きです。

(さとう さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は胸の痛みに関する質問です。
胸痛の原因は特発性(原因不明なもの)、筋肉・骨、皮膚、心因性によるものが大半を占めますが、心臓自体に原因があることもあります。従って受診をするならば、心臓を詳しく調べる超音波(心エコー)や運動時の心電図検査(トレッドミル検査)も含めて行える病院の小児科が良いでしょう。そのほうが総括的に判断できます。また胸の痛みも短時間で収まるようなので、ジェットコースターに乗ることも特に問題ないと考えられます。

胸痛の原因

胸痛の原因は心臓だけでなく筋肉や骨格、皮膚、精神的なもの、肺や気管支など呼吸器、そして食道や胆嚢などの消化器と多岐にわたります。また、これらに問題がないものは特発性胸痛と呼ばれます。
この中で頻度の高いものは特発性胸痛、筋肉や骨格・皮膚の疾患、精神的なものです。

特発性胸痛と心疾患

特発性胸痛は小児の胸痛で最も頻度が高いものです。主に左胸部に鋭い痛みがあり、持続時間は数分以内のことがほとんどです。安静時にも運動時にも痛みが出ることがあります。多くは一時的で自然に良くなってしまいます。この特発性胸痛と診断するためには、先に挙げたような他の胸痛を起こす疾患が隠れていないことを確認する必要があります。胸痛における心疾患の頻度は5%程度と多くありません。
しかし、川崎病(全身の動脈に炎症が起きる病気)に罹ったことがある場合は、心筋に血液を供給する冠動脈が狭窄している場合もあるため、エコーなどで確認する必要があります。

今回の場合

今回は胸痛だけでなく、過呼吸や頻脈などの症状が出ています。精神的なものも含めて診察してもらっても良いと思います。また、頬が赤いことや物が二重に見えることも検査が必要になるかもしれません。受診するならば、総合病院の小児科のようなところがいいと思います。日常生活やジェットコースターなどは問題ないと思われます。

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