思春期早発症の疑いがあり、何か気を付けることはありますか?
- 最近
- 4歳6カ月・女の子
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先日、乳首のしこりに気づき病院に行きました。
身長112cm、体重20kgで平均よりも大きいし、思春期早発症の疑いがある為、
手首のレントゲンを撮りました。結果は、骨年齢は6歳2カ月でした。確実に
思春期早発症だとすると、運動や食事など、何か気を付ける事はありますか?
治療はするべきでしょうか。また、副作用はありますか?
ちなみに、父親185cm、母親163cmです。 - (のんちゃんママ さん)
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今回は思春期早発症疑いのお子さんに関する質問です。
乳房の腫大、標準より大きな身長、骨年齢の成熟などは思春期早発症を疑わせるものです。確実に診断するためにはホルモンの検査が必要ですが、運動や食事など日常生活では特別な注意点はありません。
あえて述べるなら、バランスの良い食事と適度な運動ということになります。また、治療を行った場合の副作用では、一過性に生理のような出血が起きることがあります。また、熱感・ほてり・のぼせ・肩こり・頭痛なども起こすことがあります。稀にはアレルギーや肺炎なども報告があります。
治療を行う目的は、二次性徴の抑制と最終身長の獲得です。身長に関しては経過を見ていくという選択もあるので(詳細後述)、ホルモン分泌の検査結果を踏まえて主治医の先生と良く相談することをお勧めします。
思春期早発症と身長
思春期早発症とは、何らかの原因によって二次性徴が早期に出現してしまうものです。主な症状は二次性徴の早期出現で、このため身体的(身長、乳房の早期発育、早期初潮など)、精神的な問題が生じることがあります。
特に身長は、思春期の成長スパートが早期に訪れるため一時的に高身長になりますが、骨の成長がその分早く終わってしまうために、最終的にはもともと期待できる身長よりも低くなってしまいます。治療の目的と副作用
治療の目的は、上記のような身体的、精神的な問題の回避になります。特に身長に関しては、骨の成長が早期に始まり早期に終わってしまうことを防止することによって、最終的な身長の獲得を目標にします。しかし最終的な身長に対する効果は、治療開始時の予測身長よりは高くなりますが、両親の身長から計算される目標身長には達しないという報告もあります(今回の場合は167.5cmです)。
治療は4週間ごとに注射(LHRHアナログと呼ばれるもので、リュープリンという薬を用います)を行い、二次性徴を抑制します。主な副作用は、熱感やのぼせ・ほてり・注射部位の硬結などがあります。治療開始早期は、一過性に性器出血(生理で見られる出血と同じです)が出ることがあります。その他に肺炎やアレルギーなども報告がありますが、いずれも稀です。今回の場合
日常生活における運動や食事に関して、特別な注意は必要ありません。バランスの良い食事と適度な運動という誰にでも当てはまることを行ってください。
思春期早発症のなかには、二次性徴や骨年齢がゆっくり進むタイプのものもあります。この場合は無治療でも最終身長の獲得は悪くないと言われています。
副作用は大きなものはほとんどなく、治療終了後の性腺機能の回復も良好です。しかし、治療を行うかどうかは思春期早発症の基準を満たすからといって一律でなく、ホルモン分泌も踏まえて個別の対応が必要になります。必要と診断された場合は、治療を行うことを個人的にはお勧めします。治療を行う場合、その期間は年余にわたります。治療方針をよく主治医の先生に聞いて頂くことをお勧めします。
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