チック症状?てんかん?寝ている時に口をモグモグ動かします
- 先月
- 5歳0カ月・男の子
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先月インフルエンザの高熱で、1日のうちに2回けいれんを起こし入院しました。入院中は座薬をつかって熱を下げていたこともあり、けいれんは起きなかったので、先生から良性の熱性けいれんだったのでは、と説明を受け後日脳波検査をするということで退院しました。
脳波検査結果は、気になる波形があるが一つだけなのでてんかんとは診断できないが、3カ月後にまた検査しましょう。とのことで、ダイアップ坐剤を処方されました。
家についてから思い出したのですが、息子はよく寝ているときに口を斜めにあけ、何か食べている感じでモグモグと動かします。(むにゃむにゃ、ではなく私からするとカクンとした感じに見えました。)
けいれんが治まった直後と、脳波検査で眠りからぼんやり覚めるときにも同じ動作をしていました。どういうわけか目をつむった時だけに口元を上記のように動かします。目を開けた時は動かしてませんでした。
これはチック症状でしょうか。てんかんの発作と何か関係あるのでしょうか。 - (なかじ さん)
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今回は熱性けいれんがあったお子さんの、睡眠時の口の動きに関する質問です。眠っている時の口の動きは、チック(後述)とは別と考えて良いと思います。てんかんで睡眠中に口を動かすような発作を起こすものもありますが、通常睡眠時脳波に異常が出ます。
一度で脳波異常が出ないこともありますが、次回の脳波フォローも決まっているので、次回受診時に確認していただければ良いと思います。また、そのような症状が出た時の動画があると役に立つと思います。
熱性けいれんとてんかん
熱性けいれんとは、発熱に伴って乳幼児期に起きる発作性の疾患です。
小児の7〜8%のお子さんで熱性けいれんを認めることがあり、通常は発熱して24時間以内に発作があり、ほとんどは10分以内に治まります。多くの場合発作は1回だけですが、痙攣をしたお子さんのうち3分の1くらいは2回目の発作を起こすと言われています。
また、熱性けいれんはてんかんとは別の疾患です。しかし2〜7%と低いものの、熱性けいれん後にてんかんを発症することがあります。
入眠中に口や顔面に発作が出るもので、局在関連てんかんに分類される小児良性てんかんと呼ばれるものがあります。しかし、てんかんでは発作と脳波異常がそろってから診断になります。一度の脳波で分からないことも多く、繰り返しの検査が必要になります。チックとは
チックとは突発的に急速な運動または発生をしてしまうもので、反復的に起こります。緊張が高まった時や逆に緊張が緩んだ時に出やすく、また、行事などで興奮したときもチックの症状が出やすくなります。まばたきや咳払い、発声などが典型的な症状になります。チックの場合、寝ていると症状は出ないかまたは軽くなるので、今回の場合はチックは無関係と思われます。
今回の場合
寝ているときに口を動かすようなてんかんも存在します。診断の基本は症状に加えて脳波異常なので、引き続き経過を見ていく必要がありますが、今の段階でてんかんと断定できるようなものではありません。念のため、次回受診までに一度動画で撮影できると診察の際に有用だと思います。またチックですが、上記のように通常寝ているときは症状が軽減します。このため今回チックに関しては考えなくて良いと思います。
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