子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

鼻血が毎回20分前後止まりません

時期
1ヶ月前
お子さんの年齢と性別
9歳6カ月・女の子
症状の詳細

年長の頃から、1年に2〜3回位の鼻血を出しているのですが、20分前後は止まりません。鼻をいじったりアレルギーがあるわけではありません。
関係があるか分かりませんが、生後5日で髄膜炎を発症し、血小板を輸血したことがあります。(完治しており、後遺症もありません)
心配なのは、鼻血が止まった頃に娘が鼻をかむと、必ずドロっとした塊がズルズルと10cm位出てくる事と、今月は4回も繰り返している事です。あと、この場合、小児科と耳鼻のどちらにかかったら良いのでしょうか?

(k4 さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は鼻血に関連する質問です。
小児の場合、年に数回鼻血があることは異常ではありません。また30分以内に止血できるなら、血液の凝固機能も問題ないと考えて良いでしょう。鼻血が止まった後は、鼻汁と不十分に凝固した血液が混ざってドロドロしたものが鼻腔内に残ります。これは鼻血の量によって多かったり少なかったりします。
鼻血の場合、多くは鼻局所の問題です。口の粘膜や歯肉の出血、手足の皮膚の紫斑や点状出血などがなければ、まずは耳鼻科の受診で良いと思います。

鼻血の原因

鼻血の原因の大多数は、原因が特定できない特発性鼻出血と呼ばれるものです。原因が特定できるものは、鼻局所に問題がある場合と、全身の疾患に関連する場合に分けられます。
原因が特定できる場合、鼻局所の問題であることが最も多いと言われ、鼻をこすったり掻いたりかんだりすることで、粘膜が傷つき鼻血が出ます。鼻血が止まった後は、カサブタが形成されるため違和感や痒みがあり、その結果、無意識に鼻をこすることで再度の出血を起こします。
全身の疾患では、血小板減少や凝固機能の異常、血管の疾患などが主な原因になります。これらの場合、出血しやすい状態になっているため、鼻血以外にも口の粘膜や手足に出血斑が出ます。また、血便などが出ることもあります。

鼻血の止め方と受診の目安

鼻血自体は小児でよくみられるため、まずは鼻翼をしっかり圧迫することが重要です。血液を飲み込むと嘔吐の原因になります。血液を飲み込まないためには、上を向かず、下を向いて口に流れてきた血液を吐き出すようにしましょう。
受診の目安は次のようになります。大量の出血のとき(正しい圧迫止血をしても30分以上止まらない時)、鼻血を繰り返すとき(鼻の奥にあるキーゼルバッハと呼ばれる血管が集まっている部分が傷ついている可能性があり、処置が必要になることがあります)、鼻血以外にも出血傾向があるときです。このようなときは受診するようにしてください。

今回の場合

すでに9歳であり、新生児期の髄膜炎や血小板輸血の影響はないと考えて良いでしょう。また、鼻血も20分前後で止まるなら止血困難とは言えないと思われます。一方で鼻血を繰り返しているので、まずは耳鼻科で鼻の粘膜や血管が傷ついていないかを確認してもらうのが良いと考えられます。
もし鼻血以外にも口の粘膜や手足に出血斑があるなら、血小板や凝固機能を調べる必要があるので先に小児科を受診してください。

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