子どもの健康をアドバイス 小児科医ユンタ先生のすこやかカルテ

症状

自分から寝返りをしません

お子さんの年齢と性別
1歳1カ月・女の子
症状の詳細

自分から寝返りをせず、1歳をすぎても足をつっぱって立つことをしません。おすわりは1時間程できますが、遊んでいて前のめりになり腹ばいになっても、一応ずりばいはしますがすぐに泣いて自分から寝返りすることがありません。
現在、かかりつけの小児科では要観察と言われていますが、何か考えられる病気などはありますでしょうか。

(りばーば さん)
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ユンタ先生からの回答

今回は発達に関連した質問です。寝返りをしない・ハイハイでなくズリバイをすることなどから、発達の遅れを考えます。しかしこれで全てが決まるわけではなく、体の硬さ(硬い場合と柔らかい場合があります)やその他の動き、手などの微細運動、言葉や社会性などの評価も合わせて総合的に考える必要があります。正常のバリエーションのこともありますが、軽度の精神発達遅滞や脳性麻痺、その他筋肉や神経疾患などが鑑別の対象になってきます。いずれにしても定期的なフォローアップが必要になるので、担当医とよく相談することをお勧めします。

1歳児の発達

発達には個人差がありますが、1歳0カ月の発達はおおむね次のようになります。まず、粗大運動では独り立ちが出来、歩き始めるお子さんも出てきます。歩行は1歳1カ月〜2カ月ごろに歩けるようになることが多く、この時期はまだ手でバランスを取っています。また、バイバイが出来るようになり、親指と人差し指でつまんで積み木などを持つことが出来るようになってきます。意味のある言葉が1-2語出てくるのもこの時期です。

考えられる疾患

発達の遅れが見られる疾患は、発達遅滞や脳性麻痺などが挙げられます。また、筋肉や神経の疾患があるときも発達の遅れが見られます。立たせようとして足がつっぱってしまうのは伸展共同運動(しんてんきょうどううんどう)パターンといい、運動の巧緻性(こうちせい)が欠けている場合に見られます。

今回の場合

今回の場合、寝返り以外にも、ハイハイや立位などにも問題がありそうです。運動に関する発達だけでなく、手の動きや社会性、言語理解、発語など総合的な評価が必要になります。正常バリエーションで発達があとから追いつくようなこともありますが、いずれにしても定期的なフォローアップが必要です。場合によっては、リハビリの導入も必要になるかもしれません。
このようなことを踏まえ、担当医とコミュニケーションをとるようにしてください。


※巧緻性・・・今回の場合は、「膝や足首を連動させて適切に動かすこと」を指します。

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