運動を始めてから過呼吸を起こすようになりました
- 12歳1カ月・女の子
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娘がミニバスケットボールを始めてから過呼吸を頻繁に繰り返すようになりました。小児科には行ったのです治る様子がありません。ミニバスケットボールは辞めさせるべきでしょうか?
- (キティ さん)
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今回は過呼吸発作に関する質問です。一般的に、急に息切れする症状は心の問題が影響する心身症と、喘息や肺疾患などの器質的疾患とに大別されます。過呼吸は、過換気症候群と呼ばれ、ヒステリーやパニック障害などと同様、心身症に分類されます。通常の小児科では、主に器質的疾患を鑑別します。器質的な問題がないならば、思春期の心理を扱っている病院も一度受診されたほうがいいでしょう。その上で、ミニバスケットボールを続けるかどうかは、本人が続けたいのか、家族が続けさせたいのか、友人関係はどうか、総合的に考えて決定するしかありません。この点に関しては、お子さんとよく話し合って下さい。
過呼吸と過換気症候群
何らかの原因で息苦しさを感じ、発作性の過呼吸が引き起こされたものが過換気症候群です。この原因は運動・疲労・痛みなどの身体的要因で起こる場合と、不安・緊張・興奮といった心理的要因で起こる場合もあります。頻脈や動悸、過呼吸から始まり、眩暈(めまい)や意識レベルの低下、四肢や口周囲のしびれといった症状を起こします。
過呼吸の対処
まず、周囲の人間は慌てないことが大事です。そして、過呼吸を起こしている本人に声をかけたり、手を握ったりして安心させてあげてください。以前は、紙袋を口と鼻に当てて呼吸させる方法(ペーパーバッグ呼吸法)が行われていましたが、現在は窒息の危険性が指摘されています。時に抗不安薬が使用されることもあります。
また、心理的な要因がある場合は、思春期外来や心療内科などを受診することが必要になります。
今回の場合
ミニバスケットボールをすると過呼吸が出るようですが、上記のように、過呼吸自体は運動や疲労のような身体的原因と、不安や緊張など心理的要因があります。また、お子さんがミニバスケットボールを好んでいない場合、(意識的、無意識的にかかわらず)過呼吸を起こすことで練習をしなくて済む、というような疾病利得(しっぺいりとく:病気になることが何らかの利益につながること)を得る手段になってしまっていることがあります。
このままミニバスケットボールを続けるかどうかを判断する前に、お子さんの気持ちの確認をしてあげてください。また、思春期のお子さんの心理を扱っている病院で一度相談されることをお勧めします。
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